スポーツ

巨人、西川遥輝獲得に関心 ファンから「獲る必要ない」と猛反発の声

2019年、ゴールデングラブ賞を受賞した日本ハムの西川遥輝選手(時事通信フォト)

2019年、ゴールデングラブ賞を受賞した日本ハムの西川遥輝選手(時事通信フォト)

 巨人が、日本ハムを自由契約となった西川遥輝外野手の獲得調査に乗り出すことをスポーツニッポンが12月5日に報じた。翌日には大本営のスポーツ報知も報道し、ストーブリーグの話題になっている。

 西川は盗塁王を4度獲得するなど、日本ハムのリードオフマンとして長年活躍。選球眼も良く、プロ11年間の通算出塁率も3割8分と高い。甘いマスクで女性人気が高いことでも知られる。移籍となればV奪還を目指す原巨人にとって心強い存在になるが、多くのファンは複雑な気分のようだ。

 西川の移籍が実現すれば、巨人の外野陣がさらに厚くなるのは間違いない。スポーツ紙デスクが語る。

「巨人は昨オフにDeNAからFAで獲得した梶谷隆幸が切り込み隊長として期待されましたが、度重なる故障で戦線離脱。今季は松原聖弥が1番打者でチーム最多の77試合に出場しました。まだまだ発展途上の選手ではありますが、打撃技術は天才的なセンスを持ち合わせて足も速い。西川が入れば、松原、梶谷、ウィーラー、丸佳浩と外野の定位置争いはさらに激化するでしょう」

 29歳の西川はこれから選手として脂が乗り切る時期を迎える。自由契約となったため今季の推定年俸2億4000万円からの大幅ダウンは避けられないが、獲得できれば巨人にとって「お得な買い物」と言える。懸念されるのは守備だという。

「日ハムでは中堅を守っていたが肩が弱く、今季途中から左翼に回ったが、浅めの守備位置でも俊足とはいえない二塁走者の本塁生還を許す場面が度々見られました。球際にも強いわけではないため、守備位置は左翼に限定されるでしょう。昨オフには米国でのプレーを目指してポスティングシステムを申請したが、メジャー契約を提示する球団が1つも現れなかったのは外野守備が問題視されたからだと言われています」(同前)

だが、スポーツ紙記者たちからは、西川の選手としての能力とは別の「問題」を不安視する声が聞こえてくる。

「周囲に対する“当たりの強さ”が心配です。日ハムがYouTubeで配信した円陣の動画では中田とともにピリピリした空気で、冷ややかな発言をする場面が見られました。普段の関係性は分かりませんが、後輩の選手たちは委縮しているようにも感じた。試合中にベンチで西川の肩に置いたコーチの手を何度も振り払い、険しい表情を浮かべた動画が出回り波紋を呼んだこともあった」(同前)

 スポーツ紙遊軍記者は巨人の“内部分裂”の可能性を懸念する。

「西川は若手の模範になるようなタイプではない。日本ハムが慰留しなかったのも、新庄剛志監督が就任してチームを刷新する中、高年俸を払ってまでチームリーダーを任せる選手ではないと判断したからでしょう。巨人では坂本勇人、丸とプロ意識が高い年上の選手がいるので、もし入団することになったら最初はおとなしくしていると思いますが、中田とともに結果を残せずにファームでくすぶるようだと、へそを曲げて不満分子になる恐れもある」

 すでに今回の西川獲得報道に関して、巨人ファンの反応は芳しくない。ネット上では〈絶対反対。獲る必要がない。せっかく松原が育ってきているのになんで西川?だからヤクルト、オリックスみたいに若手が育たないんだよ〉〈中田翔といい、西川といい、なんで素行不良の選手ばかり獲るの?どこも西川の獲得に名乗りを上げる報道が出ていない状況を考えてよ…〉などのコメントが上がる。

 昨年の最下位から20年ぶりの日本一に輝いたヤクルト、日本シリーズで激闘を見せたオリックス、昨季まで4年連続の日本一と黄金時代を築いたソフトバンクに代表されるように、手塩にかけた生え抜きの選手たちがチームの軸になっている。毎年のように他球団の主力を獲得する巨人の補強戦略を否定するわけではないが、昨オフにFAで獲得した梶谷、井納翔一、シーズン途中に電撃トレードで加入した中田と機能している選手が多いとは言い難い。外部から補強することで、若手の出場機会が失われるデメリットも見過ごしてはいけない。西川獲得の判断は吉と出るか、凶と出るか──。

関連キーワード

関連記事

トピックス

“令和の小泉劇場”が始まった
小泉進次郎農相、父・純一郎氏の郵政民営化を彷彿とさせる手腕 農水族や農協という抵抗勢力と対立しながら国民にアピール、石破内閣のコメ無策を批判していた野党を蚊帳の外に
週刊ポスト
緻密な計画で爆弾を郵送、
《結婚から5日後の惨劇》元校長が“結婚祝い”に爆弾を郵送し新郎が死亡 仰天の動機は「校長の座を奪われたことへの恨み」 インドで起きた凶悪事件で判決
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬・宮城野親方
【元横綱・白鵬が退職後に目指す世界戦略】「ドラフト会議がない新弟子スカウト」で築いたパイプを活かす構想か 大の里、伯桜鵬、尊富士も出場経験ある「白鵬杯」の行方は
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン