また、12月2日付で英医学誌『ランセット』電子版に掲載された最新の論文では、日本でも検討されている「交差接種」(3回目は他社製のワクチンを接種すること)について、ワクチンの種類別に「副反応」の強さが検証されている。
同調査では、イギリスでアストラゼネカ製ないしファイザー製ワクチンを2回接種した30歳以上の2878人を対象に、3回目として7つの異なるワクチンを投与して副反応などが調べられたという。
「3回目の全てのワクチンで、接種後7日以内の『局所反応』は痛みが最も多く、『全身反応』は倦怠感と頭痛が最も一般的でした。また、高齢者と比較して30~60代の人は副反応が強く出ました。日本に関係する話に限れば、2回目までファイザー製で、3回目がモデルナ製の交差接種の人は、副反応が多く報告されています。ファイザー製2回で副反応が出なかった人でも副反応が出る可能性がある」(室井氏)
『ランセット』の論文について、国際医療福祉大学病院内科学・予防医学センター教授の一石英一郎医師はこう言う。
「興味深い結果です。そもそもモデルナ製はmRNAの有効成分の濃度がファイザー製の約3倍とされており、発熱や注射部位の痛みなどの副反応がファイザー製よりも強めに出ると言われています。ただその分、高い中和抗体レベルが長く維持されるとされています。3回目を接種する人自身がリスクを判断するのがいいと思います」
持病や既往症などで来たる3回目に不安がある人は、かかりつけ医や予診医に相談の上、接種に臨んでほしい。
※週刊ポスト2021年12月24日号