男女平等で音楽対決する初心に戻るべき
長谷川:2021年は司会を紅組白組で区別せず、単なる司会に統一されました。男女を紅白で分けることをNHKが相当気にしていて、今後、ますます存続が難しくなるのではと感じます。
合田:でも、そもそも紅白のスタートの理由は、歌なら男も女も同等に対抗できる、ということだったんです。だから、根底に男女平等の精神がしっかりあるわけです。
長谷川:つまり差別とか区別とかではなくって歌で男女が対等に平和に競える番組。
合田:その原点に戻り、紅組白組が勝負に徹した方が面白くなるかもしれない。紅白が始まった年は、戦争が終わった年。敗戦の苦しみのなか、歌で元気を与えたいというのが原型でした。いまならコロナだからこそ歌で元気を。紅白とはそういう番組だということをもっと発信してほしいと思います。だって生まれる前からある番組でこんなに話せる。そんな番組、ほかにないですから(笑い)。
【プロフィール】
合田道人さん/1961年生まれ、60才。北海道出身。歌手・作家・構成作家・音楽プロデューサーにして、紅白歌合戦研究家。『紅白歌合戦ウラ話』(全音楽譜出版社)など著書多数。
長谷川まさ子さん/1962年、群馬県生まれ。ワイドショーリポーター歴は35年。紅白取材は、初出場者会見、リハーサルや終了後の出待ちや声かけ、出場者密着取材などを行ってきた。
駒井千佳子さん/1965年、山梨県生まれ。OLを経て、テレビ朝日甲府支局で記者兼リポーターに。テレビやネットなどでのルポのため15年前から紅白のリハーサル取材を継続中。
取材・文/北武司 写真/女性セブン写真部
※女性セブン2022年1月6・13日号