スポーツ

箱根駅伝 ナイキ厚底の「一強」にアシックス、アディダスが反転攻勢

箱根駅伝は選手たちの「足もと」にも注目(2日の往路スタート直後。時事通信フォト)

箱根駅伝は選手たちの「足もと」にも注目(2日の往路スタート直後。時事通信フォト)

 正月の風物詩となった箱根駅伝。1月2日には青山学院大が2年ぶり5回目となる往路優勝を果たし、トップで芦ノ湖のゴールテープを切ったが、レースの推移とともに注目されたのが、選手たちの「足もと」だ。近年は、タイムを大きく縮めることに寄与する“ナイキの厚底シューズ”が爆発的に広がっていたが、今年はそこに異変が見られた。アシックスやアディダスが、少しずつ反転攻勢に出ているのだ。

 今年の元日、日本経済新聞にアシックスの一面広告が掲載された。〈わたしたちは、何度でも起き上がる。〉というメインのコピーは、陸上長距離界を席巻する「ナイキの厚底」に対する反撃の狼煙の意味合いと捉えていいだろう。広告のフレーズはこう続いている。

〈2021年1月。レースから、アシックスのシューズが姿を消した。たとえ何度負けようとも、わたしたちは前を向く。前に進むことは、苦しいことの連続だ。けれど、走ることと向き合うことを決してあきらめない。誰よりも真剣に、走りと向き合う。負けっぱなしで終われるか。〉

 昨年1月の箱根駅伝の第97回大会では、アシックスのシューズを採用した選手はゼロだった。数年前までシェア1位を誇っていたアシックスにとっては、大いに期するところがあったのではないか。2018年頃から、反発性の高いナイキの「厚底シューズ」を着用した選手たちがどんどん記録を伸ばし、トップ選手の市場を独占されるようになったのだ。

 ただ、今年は少し状況が変わってきているように見える。まずは一面広告が掲載された1月1日の実業団チームによるニューイヤー駅伝。各チームのエースが集まる最長区間の“花の4区”で区間賞を獲得した細谷恭平(黒崎播磨)の選んだシューズはアシックスだった。

「アシックスは昨年3月に、ナイキ厚底に対抗するランニングシューズの『メタスピード』シリーズを発表している。ニューイヤー駅伝ではその最新モデルを使う選手が散見されました。もちろん、まだまだオレンジ色のナイキのアルファフライネクストを使う選手が多いのですが、それでもピンク色のアシックス・メタスピードを選んだ走者がいい活躍を見せていた。

 ニューイヤー駅伝の4区では、細谷が区間新記録をマークしただけでなく、驚異の15人抜きで区間2位の走りを見せた安川電機・古賀淳紫のシューズもピンクのアシックスだった。エース区間でアシックス勢が“ワンツーフィニッシュ”となり、十分な存在感を見せました」(メーカー関係者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン