国内

昭和、平成、令和… カメラマンが見た「欲望の街」新宿歌舞伎町

歌舞伎町で過ごす人々には様々な姿が…

歌舞伎町で過ごす人々には様々な姿が…

 戦後の復興期に誕生した歌舞伎町は、70年以上にわたり呑み屋や性風俗店が集まる歓楽街として君臨してきた。カメラマンの清平はじめ氏が2000年代以降におさめた写真には、酒に酔った女性が暴れて警察官に押さえつけられたり、右手が血まみれの男性、女性同士の大乱闘など、歌舞伎町で過ごす人々の様々な姿がある。

「欲望むき出しの男女をよく目撃しました。女性がホストにせがんだり、駐車場で大きな喘ぎ声を出す場面に遭遇したシーンは特に印象に残っています。食い入るように見る中年女性や笑いながら傍観する若者がいるのもこの街ならではですね」(清平氏)

 男女の絡みだけでなく暴力事件も勃発する。時に警察より早く現場に駆けつけて記録してきた清平氏は「歌舞伎町のような街は世界でも類を見ない」と語る。

 この街には人々を惹きつける不思議な引力がある。

 ストリートカメラマンの篝一光(かがりいっこう)氏は50年以上前から新宿に住み、歌舞伎町を撮り続けてきた。

「だいたい何か起こるのは明け方だね。歌舞伎町の“逢魔が時”は夕方ではなく朝方4時から。ホストクラブ帰りの女や酔って分別がつかなくなった男が乱闘やエロティカを始めるんだ」

 篝氏がコロナ禍で撮影した写真をみると、感染拡大期でも大人数が訪れていたことが見て取れる。新宿東宝ビル周辺に集った少年少女たち、いわゆる「トー横キッズ」は、暴行死事件によって多くの人が知るところとなった。

「最初の緊急事態宣言下では人が少ない印象だったけど、一週間もしたら家出少年少女たちが歌舞伎町に溢れ始めた。闇営業するホストを求めて女が集まってきたりね。真っ昼間に下半身を露出する女が現われても、とにかく寛容な街だから誰も驚かない。みんな動物的なんだよね」

 この年末年始もまた、野生の欲望が溢れていた。

※週刊ポスト2022年1月14・21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン