「接種直後から、打った方の左腕に痛みを感じ、時間が経つとともにその痛みがひどくなり、痛む範囲もどんどん広がりました。
当日の夜は痛みで眠れず、翌朝は体を起こせなかった。1、2回目の倍以上の痛みが続いて鎮痛剤を打ちながら仕事をしましたが、薬効が切れるとともに激痛に襲われて、肩から脇腹まで金づちで叩かれているようでした。接種から2週間経っても、まだ腕が肩から上に上がりません」(B子さん)
女性介護士のC美さん(26才)は痛みに加えて「腫れ」の症状に悩まされた。
3回目接種後、彼女の腕は倍の太さになるほど腫れ上がった。洋服が着られず、熱湯をかけられたような熱さとひりひりした痛みが続いた。体は常に重苦しく、少し動いただけで息切れして立っていられなかったという。
生命の危険を感じた人もいる。男性介護士のDさん(46才)は接種12時間後に体温が39℃まで上昇した。
「息苦しくてまともに呼吸ができず、入院して酸素吸入しました。普段は130前後の血圧が200に達し、普段は100程度の血糖値が500まで上がりました。手足のしびれや目のかすみ、味覚障害などの症状も出て、10日間入院しました」(Dさん)
国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんも3回目接種を終えた1人。
「私は局所の痛みはあったものの全身の副反応は2回目接種よりも軽かったです。ただし、周囲を見渡すと2回目接種と同程度の副反応が生じている人が多いように感じます。
順天堂大学などの研究チームが約1000人を調査したところ、3回目接種後に4割の人に37.5℃以上の発熱があり、2割が38℃以上でした。主な副反応の頻度は、注射部位の痛みが92%、倦怠感が71%、頭痛が56%でした」(一石さん)
その調査によると首や脇の下、股の付け根にあるリンパ節が腫れる「リンパ節症」が出る頻度は、2回目接種よりも3回目接種の方が高かった。
日本人は副反応が強い傾向
なぜ3回目の方が大変なのか──医療経済ジャーナリスト・室井一辰さんの説明。
「2回目のワクチン接種から時間が経過しても、リンパ球に免疫が残っているとの研究があります。免疫が残っている状態で3回目を接種するので、免疫反応が強く生じて、扁桃腺や脇の下などリンパ節に違和感を持つ可能性があります」
血液内科医の中村幸嗣さんは、「日本人は副反応が強い傾向がある」と指摘する。
「基本的に免疫には個人差があり、体がどのように反応するかはワクチンを打ってみないとわかりません。
ただし日本人は傾向として副反応が強く出ています。“副反応なんて、たいしたことない”とする医師もいますが、医師は軽症と考えても、一般の人にとっては重症と受け止める症状も多い。コロナワクチンの副反応として、インフルエンザに感染したような症状が出る人もいます。
強い副反応は当人にとって非常につらいもので、それに見合うだけのメリットがワクチンにあるかがきちんと議論され、本人もそれを理解した上で打つか打たないかを判断する必要があります」(中村さん)