上戸彩主演のドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」の大ヒットから8年──当時、流行語大賞にもノミネートされ、社会現象となった「昼顔妻」。夫と子供のいない平日午後に不倫をする妻たちは、その後、どんな変化をしているのか。
「不倫はここ10年でカジュアル化し、それは大きな2つの出来事が関わっています」
長年、現代女性の恋愛や婚活事情を追い、『不倫女子のリアル』など多数のヒット本を出した沢木文氏はこう語る。
「ひとつめはスマホの普及。SNSやマッチングアプリで出会いの場が増えました。自宅にいながら、恋愛相手を探すことができるのです。出会った相手とは、LINEなどのアプリを使えば、容易にやり取りできます。メールや電話はビジネスでも使うので不倫相手との連絡に使うにはハードルがありました。しかし、トークアプリならリスクが少なく会話ができます」(沢木氏)
Twitterなどによる不特定多数とのつながりはもちろん、Facebookを利用すれば元カレや過去の同級生などと簡単に連絡が取れるようになった。
「ふたつめはやはりコロナ禍です。2011年、東日本大震災が起きたときにも似たような変化がありました。未曽有の災害を目の当たりにし、“これからは自分の好きなように生きたい”と考える人が増えました。震災後には様々なデマが一気に広がり、死を本気で考える人も多かった。そのときに、“夫(妻)以外の人とも恋愛をしてみたい”と願い、実行する人が増えたのです。コロナ禍でも同様の現象が起き、例えば会社の部署に感染者が出て、部署ごと隔離された中で、後輩男性と肉体関係を持った、という女性も見受けられました」(同前)
しかし、東日本大震災後とコロナ禍とでは、微妙な違いも見受けられるという。
「最近は、高学歴で高収入な男性よりも、穏やかで心地いい男性に癒してもらいたいという傾向が見て取れます。
コロナへの対策がある程度わかってきてからは、“話を聞いてくれる優しい男性”との不倫が増えました。コロナ禍では『他人と会うこと』がリスクになっているので、夫の在宅などで息苦しさを感じている妻たちは、話を聞いてくれて自分を満たしてくれる人を選ぶんでいるようです」(沢木氏)