バレたときの慰謝料も準備
現実の“沙和”さんは夫に内緒で株取引もしているそうだが、不倫がバレたときの慰謝料のためだそうだ。
「『不倫をしている自分が悪い』という自覚はあるらしく、万が一バレた時は親権も夫に渡すつもりだそうです。でもバレなければ、それは将来の家庭の資金となる。なんというか、徹底してますよね。そして『自分が悪い』とは言っていても、驚くほど前向きなのです」
“沙和”さんのように徹底した女性はまだ少ないかも知れないが、彼女たちの「年齢」にも鍵があるとわたなべ氏は言う。
「この物語の主人公たちは、38歳。女性は大抵35歳まで余裕があると思うんです。でも、35歳を越えて40歳に近づいていく時、急激に体力が落ちていくし、子供を産めるかどうかの分水嶺もやってくる。親も老いて、関係性が変わってくる。介護が目の前に迫り、今までなあなあにしていた親との関係性が浮き彫りになる。自分を含め、私の周りを見ても、40歳手前で“もう女として人生最後のチャンスだ、今動かなければ”と思って何かに走る女性は非常に多いのです」
そのタイミングで、久しぶりに自分を「女性」として扱ってくれる男性が現れたら──。
コロナ禍によって家族、夫婦の時間が増えた結果、仲が深まる夫婦もいれば、不仲が露呈し「コロナ離婚」も増えている昨今。「安・近・短」で気軽に不倫に走ることができてしまう環境の中、夫婦がいい関係を続けられるかどうか。不安な人は、パートナーとの関係を見つめなおすべきかもしれない。
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