さて、対照的に「真面目で優等生」のイメージをしっかりと纏っているのが清原果耶さん。11日から始まる『ファイトソング』(TBS系火曜午後10時)でいよいよ民放ドラマ初主演。彼女の挑戦からも目が離せない。
清原さんといえば、昨年の朝ドラ『おかえりモネ』の主人公・百音で注目を浴びました。内省的で引っ込み思案、やや暗いめのキャラクターを実に上手に演じ切っただけに、今回のコメディドラマでどこまではっちゃけることができるのか。真面目な印象を、いかに逸脱して芸幅を広げることができるのか。
もし、その転換が上手くいけば、今後さらに多彩なキャラクターを演じる機会が増えるはず。今作はオリジナル脚本で当て書き、しかも大御所の岡田恵和氏が脚本担当という点も期待を膨らませてくれます。
もう一つ、オリジナル脚本といえば20日にスタートする遊川和彦氏の『となりのチカラ』(テレビ朝日系木曜午後9時)も見逃せない。
主人公である自称小説家・中越チカラ役を、嵐活動休止以降初の主演である松本潤さんがやるというのだから。しかも、この中越チカラという人物は何をしても中途半端で半人前の“中腰な男”。三枚目的役どころを38才の松潤がいかに演じるのか。
『家政婦のミタ』を生んだ遊川脚本だけに、トンデモ展開になってもそれはそれで興味深いものがあります。松潤にとっても好機到来、これまでのイメージを脱ぎ去って、新たな演技者として人間の複雑さを描くことができるかどうか正念場でしょう。