石川ひとみ
「あの頃は、シンガーソングライターは歌番組には出ないという時代でしたが、やっぱり出たいじゃないですか(笑い)。それで中継という方法で出演し、9週連続のランクイン中、スタジオに1回しか行ってません。当時ぼくは20才で、全国区のテレビ出演は初めてでした。いまも思うんですけど、あの番組に出られてよかったなと。あれから40年もたつのに、いまだに『ザ・ベストテン歌手』『国鉄の線路で歌っていたね』って言われます。それだけ影響力のある番組だったんですね」
続いて、『みちのくひとり旅』が第7位に入った山本譲二はこう明かす。
「まずはスポットライトのコーナーに出演し、通算24週ランクインしました。そのおかげで日本全国に演歌歌手・山本譲二の名前が知れ渡りました。『ザ・ベストテン』というおばけ番組がなかったらいまのぼくはなかったと思いますね。いちばん印象に残っているのは、ふんどしで歌ったこと。はじめは恥ずかしいから断ったんですけど、スタッフの熱意に負けて。当時、すごい話題になったんですよ。名場面集で必ず出ますから(笑い)。いま考えると、やってよかったなと思います」
第6位に『まちぶせ』がはいった石川ひとみはこう言う。
「初出演はスポットライトのコーナーでした。そのとき臨時司会を務めたタモリさんから『この子は青春の“くさい芝居”が得意なんだよ』と言われ、何度か『ねぇみんな、青春とは……ハイ、ポーズ!』と記念写真のかけ声をさせていただくことになりました。当時、ランクインがうれしくて、ソファに座っている自分が信じられない感じでしたね。ミラーゲートの中はそんなに明るくなかったと思いますが、ドアが開いた瞬間、まぶしいほどのライトが目に入り、緊張しました」
(第2回につづく)
取材・文/北武司
※女性セブン2022年1月20・27日号
セットデザイン/金子俊彦さん
セットデザイン/金子俊彦さん