ラジオで長年活躍する近藤真彦
初回ゲストにデビュー前から交流のあった吉田照美
そして、同番組の初回ゲストが、元・文化放送アナウンサーの吉田照美だった。
マッチのラジオ番組は当初、吉田照美の夜ワイドのコーナーだったこともあり、二人はデビュー前から交流があった。吉田が声を張って「行くぜ、近藤! マッチとデート」とコールしていたのを“ヘビーリスナー”だった私はよく覚えている。
人気アイドルとして睡眠時間さえ削られるギリギリのスケジュールの中、文化放送の屋上で、吉田と共にマイク片手に“お遊び”的な録音をしていたこともあって、それを同局に偶然来ていたアイドルが覗きにくることもあったそうだ。
当時、テレビ全局にあった華やかな音楽番組の常連だったマッチにとって、ラジオの仕事は「地味」だし、「お付き合い」だったとも聞くが、クルマを筆頭に趣味の話などができるようになってから取り組み方も変わったようだ。
先日、マッチはスポーツ紙のインタビューで、タクシーのドライバーから「聴いていますよ」と何度も声をかけられたエピソードを明かしている。これは、私にも経験がある。マッチと異なり、私の顔はそれほど知られていないものの、タクシーで行先を告げただけで、前を向いたままのドライバーから「その声は、山田美保子さんですね?」と言われて仰天した経験も一度や二度ではない。
タクシーのみならず、営業車やトラックのドライバーはみな、ラジオをよく聴いてくれていた。20代半ばにしてそのことを知ったマッチは、そこから、ラジオ番組への取り組み方が大きく変わったと明かしていた。“リスナーの顔”が見えてきたというのである。