『がんばりょんかぁマサコちゃん』の第1話扉絵

『がんばりょんかぁ、マサコちゃん』の第1話扉絵

 「編集者から、テーマが重く覚悟がいるため『作家が見つからない』と言われてなかなか前に進みませんでした。もう諦めるかなと思っていたところ、親身になって連載先を探してくれる方に出逢って、2021年の6月頃にいまのチームでの連載が本格的に決まりました」(相澤氏) 

 「雅子さんが納得しなければ出しません」 

  とはいえ、このテーマを描くためには事件の背景や赤木さんの想いを十分に知る必要がある。そのため、20217月に、23日で大阪・神戸をチームで巡った。 

 「まずは最も大事な場所である赤木さんが亡くなられた自宅に伺いました。俊夫さんの書斎や、ゆかりの品を見たり、雅子さんが用意してくれた食事をみんなで食べながら少しずつ理解を深めていきました。森友学園の建物や近畿財務局、赤木さん夫婦にとっての思い出の場所だった六甲山の展望台など作品には欠かせない場所を巡ることで亡くなった俊夫さんの生活を追体験していった。すでに3話まで拝読しましたが、非常にリアリティがありその時の取材をもとにした場面が息づくように描かれていました」(相澤氏) 

  リアリティのある描写は時に雅子さんにとっては、過去をフラッシュバックさせてしまうリスクもあったが、編集チームの言葉で雅子さんもすべてを受け入れることができた。 

 「すでに作画に入っているタイミングだったと思うのですが、編集者の方から『雅子さんが納得しなければ出しません』と言ってもらえたことが大きかったですね。当然ながらショッキングなシーンが描かれることもありますが、実際に雅子さんが『ここは変えてほしい』と伝えたところはすべて反映してくれましたので、信頼してお任せすることができました」(相澤氏) 

  作品のタイトルにはあえて、森友学園の名前などショッキングなワードは入れなかった。 

 このタイトルは、スタッフの皆さんと神戸を車で回っている時に出たものでした。『がんばれマサコちゃん』といった俊夫さんが、雅子さんを応援しているようなタイトルが良いのでは――という案をきっかけに、車内が盛り上がったんです。私が雅子さんに、(ご夫婦の出身地である)『岡山県の言葉で“がんばれ”は何と言うんですか?』と聞くと、『がんばりょんかぁ、ですよ』と聞いて、その語感が妙にしっくりきたんです。色々な意見がありましたが、最終的にはそれが採用されました」(相澤氏) 

  相澤氏は、「これまで森友学園のニュースに興味がなかった人にこそ読んでもらいたい」と語る。 

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン