20周年コンサートでは純白ドレス姿に

20周年コンサートでは純白ドレス姿に

 映画とは、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの人生を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』。アカデミー賞で4冠を達成した大ヒット作だ。

「フレディは同性愛者であることに葛藤しながら、音楽の世界で頂点に立ちました。45才の若さで亡くなりますが、その姿が多くの観客の心を打ち、ヒットにつながったのです。クイーンの曲を日本語に訳して日本人が歌うというのは、権利的にもかなりハードルが高いはずです。しかし、湯川さんの丁寧なプレゼンに加え、氷川さんが歌うということもあって、クイーン側も許可したのです」(前出・レコード会社関係者)

「きよしくんは卒業した」と公言し、自身に「kiina」というニックネームを付けるようになったのもこの頃だ。

「それまでも、歌手・氷川きよしとプライベートの自分は別人格だと口にすることはありました。それでも、演歌のテーマは男の生き様であることが多く、歌い手としてその歌の主人公になりきろうとしてきました。しかし努力する一方で歌手・氷川きよしと本来の自分との乖離に違和感が大きくなっていったようです。

 一度マイクを置くと、ファッションやメイク、料理や園芸が好きな本来の自分に戻るというように、切り替えていたようですが、歌でこそ、自由に本当の思いの丈を伝えたいという気持ちとの間で葛藤が生まれていたようです」(前出・氷川の知人)

 その頃、雑誌のインタビューで「男らしく生きて欲しいと言われると、自殺したくなっちゃうから、つらくて」と赤裸々な心情を語っている。さらに今後について、「今までの苦難も含めて全部をさらけ出し、歌にのせて表現することで、こんな私でもここまで頑張って生きてこられたんだ。そう伝えるのが歌手としての使命。人生の後半は、それを表現していく生き方になる」とも明かした。

「男らしさ」「女らしさ」を、本人の気持ちをないがしろにして求めることは、人権を守る上で、厳に慎むべきことであるのは現代社会の当然のルールだ。だがその昔は、平気で固定化された性差の観念を押しつける風潮も存在した。

 次第に、性の多様性を認めることの重要さが社会全体に浸透してきたことで、氷川も「ジェンダーを超える自分らしさ」を表現しやすくなったのかもしれない。誰もがジェンダーで悩むことなく、ありのままで生きられる社会は、氷川が「歌手としての使命」と言う通り、実現されなければならない。

 その頃は、仕事現場でも、明るい表情を見せることが多くなっていった。それでも、氷川は「歌手」を休止する決断をした。彼の歌声を聞ける日はいつになるのか──。

※女性セブン2022年2月10日号

関連記事

トピックス

登山家・著述家の服部文祥氏(左)と俳優の東出昌大氏が語り合った
「人間の方がはるかに凶暴」登山家・服部文祥氏&俳優・東出昌大氏が問題提起する“クマ駆除の数は妥当なのか”「クマ目線もなきゃズルいだろ」の意見
週刊ポスト
店を出て言葉を交わす2人(2025年11月)
《寄り添う夫婦の黒コーデ》今井美樹と布袋寅泰、街中でかかげたキラりと光る指輪に妻の「プライド」高級スーパーでお買い物
NEWSポストセブン
結婚を発表した長澤まさみ(時事通信フォト)
《圧巻の8頭身ボディ》結婚発表の長澤まさみが語っていた「タイプの男性」 インタビュアーも虜になったオーラと「人間力」
NEWSポストセブン
今森茉耶(事務所HPより、現在は削除済み)
《ゴジュウジャー降板女優の今森茉耶》SNS投稿削除で“消息不明”に…母親が明かした複雑な胸中「何度でもやり直せる」
NEWSポストセブン
85歳。小説家、絵本作家の志茂田景樹さんの現在地とは
《執筆は介護ベッドで音声システムを使って…》書き続ける“要介護5”の作家・志茂田景樹が語る現在の暮らし「“老い”を意識したら少しでも充実する気持ちを」 
NEWSポストセブン
2025年に離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(左/本人インスタグラム、右/時事通信フォト)
《ファミリーカーの運転席で弁当をモグモグ…》2児の母・加藤ローサ、離婚公表後の松井大輔氏との現在 いまも一緒に過ごす元夫の愛車は「高級外車」
NEWSポストセブン
女優の大路恵美さん
《江口洋介さん、福山雅治さん…年上の兄弟から順に配役が決まった》『ひとつ屋根の下』女優・大路恵美さんが“小梅役”に選ばれた決め手を告白
NEWSポストセブン
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《“七三分け”白髪の石橋貴明が動き始めた》鈴木保奈美「私がお仕事をしてこられたのは…」“再ブレイクと闘病中”元夫婦の距離感
NEWSポストセブン
波瑠と高杉真宙の仲睦まじいツーショット
《波瑠がメガネと白セーター姿で高杉真宙にピッタリ寄り添い…》「思い出深い1年でした」新婚ホヤホヤの2人は“お揃いのデニムパンツ”で笑顔の神対応
NEWSポストセブン
『激走戦隊カーレンジャー』でピンクレーサー・八神洋子役を演じ、高い人気を得た来栖あつこさん
《スーパー戦隊50年の歴史に幕》「時代に合ったヒーローがいればいい」来栖あつこが明かすイエローとの永遠の別れ、『激走戦隊カーレンジャー』ピンクレーサー役を熱演
NEWSポストセブン
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
《識者が“皇族の喫煙事情”に言及》「普段の生活でタバコを吸われる場合は…」秋篠宮さまの“車内モクモク”動画に飛び交う疑問
NEWSポストセブン
小室さん眞子さんのNY生活を支える人物が外務大臣表彰
《小室眞子さん“美術の仕事”の夢が再燃》元プリンセスの立場を生かせる部署も…“超ホワイト”なメトロポリタン美術館就職への道
NEWSポストセブン