新型コロナウイルスによって、困窮する大学生が増えた。2020年6月、無料配布の弁当を求めて並ぶ岡山大学の学生ら(時事通信フォト)

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SNSのうまい儲け話・投資話に要注意

 18歳以上の若者達は、実際にどんな消費者トラブルに見舞われているのか。いまも成年である「20~24歳」と、4月から成年とされる「18・19歳」が遭遇しているトラブルの違いはあるのか見てみよう。

 現状、消費生活相談の傾向をみると「18・19歳」「20~24歳」とも、まず、ダイエットサプリメントやバストアップサプリメント、除毛剤などを商材として最初だけ格安、または無料とうたい、2回めから高額になったり、半年間解約できないなどの詐欺的な定期購入商法がある。そして、アクセサリーや洋服などの詐欺・模倣品サイト、アダルト情報サイトや出会い系サイトなど、インターネット通販トラブルが目立つ。

「20~24歳」の相談内容を詳しくみると、「18・19歳」に比べて、エステティックサービスや医療脱毛、包茎手術等の美容医療のトラブルが増える。それだけでなく、情報商材、オンラインカジノ、暗号資産(仮想通貨)、投資学習用USBメモリーなどの儲け話のトラブルが多くなるという特徴がある。見た目をととのえたいのは、若者ならば当然の欲求だろうが、儲けることに執着するのはなぜなのだろうか。

 20~24歳というと、大学や専門学校など成年したとはいえ学生も多い。彼らは不景気ななかで育ってきた経済的に恵まれているとは言いがたい世代で、漠然と将来の金銭的不安を常に抱いている。アルバイト代を遊興費ではなく生活費にしている学生も珍しくない。そんな経済状態にもともとあったのが、コロナ禍でバイトのシフトなども減らされ、保護者の収入が減って仕送りが減るケースが相次いでおり、苦しい生活を強いられている。100円ショップなどで上手に買い物する、フリマアプリを活用してお得にオシャレするなど、もともとコスパがいいことが好きな世代でもあり、投資や情報商材などで儲けたいという意識も強く、このような誘いにのりやすいというわけだ。

 トラブルのきっかけとなるのは、以前は学校や職場の友人、知人など、リアルの交友関係から勧誘されることが多かった。しかし最近は、インターネット・SNSの広告・書き込み等を見てみずから連絡をするケースや、SNSで知り合った人から誘われるケースが目立つ。知りたいことはすべてSNSで検索するこの年齢の学生たちは、SNSの投稿を安易に信じてしまい、SNSで知り合った相手を信じてしまうことが多いのだ。

 実際、Twitterで「#儲けたい」「#高収入」などで検索して見つけた投稿から、怪しげな話に乗ってしまう例は多い。相手に「絶対に儲かるから」と言われて、お金がないと断ったが、「消費者金融で借りればいい。すぐに元はとれる」と言われ、消費者金融で数十万円借りてしまった学生がいた。そのお金で情報商材を購入したものの、まったく儲からず、結局借金だけが残ってしまったという。

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