国民生活センターではHPやYouTubeなどで若者の消費者トラブルについて注意喚起を繰り返している(時事通信フォト)

国民生活センターではHPやSNSなどを通じて若者の消費者トラブルについて注意喚起を繰り返している(時事通信フォト)

知識・経験不足で、うまい話に弱い若者たち

 若者が消費者トラブルに遭いやすい理由はいくつかある。まず、知識・経験不足につけこまれて契約してしまう点だ。契約の内容をよく理解せず、或いはよく確認せずに署名・捺印してしまうことで、不利な契約を結ばされてしまうというわけだ。

 契約書も作らず投資し、LINEでのみやり取りしていて、相手にアカウントを消して逃げられてしまった被害者もいた。「LINEでやり取りしてとても信頼できる人だと思ったから」というが、金銭が絡む契約は契約書を残す必要がある。

 InstagramやTwitterでつながった後は、秘密裏にできるLINEかDMでのやり取りに引き込まれることが多い。LINEグループにもサクラが仕込まれており、投資に対して乗り気な発言ばかりしていたため、「心配になっているのは自分だけ。みんな大丈夫と思っているのだから大丈夫だろう」と思わされていたケースがあった。SNSの「エコーチェンバー現象」(狭いコミュニティで、同じ意見を見聞きし続けることによって、自分の意見が強化されること)を悪用すると、クロージングが容易になるというわけだ。

 うまい話に弱いのも問題だ。おいしい話を理由なく教えてくれるわけがないのに、明らかに大きすぎるリターンの話に乗ってしまうケースが目立つ。世の中でどのようにお金が動くのか、なんとなく分かるようになった大人であれば、その話のおかしさにすぐに気付けるはずだが、学生は「自分だけ特別」と素直に信じてしまう。

 若者たちは相手がSNSなどで顔出し名前出しで利用していると信頼性が高いと考えている。実際には実名だろうと匿名だろうと、その内容で判断すべきなのだが、形式だけで若者は判断しがちなので、そこにつけ込むため、ポジティブな雰囲気作りを担当するサクラ役のアカウントも顔出し名前だしで投稿する。そして、札束やブランド物の写真などを投稿していることで、実際に儲かっていると信じてしまう。

 迷っている人に向けて契約させるための雰囲気作りもされる。たとえば「今日中なら特別に安く契約できる」などと言われたり、そもそも友達や先輩の紹介が発端だと、断ると言いづらくなる若者は多い。そうやって、断りにくい状況に追い込むのは若者を狙うグループがよくとる手口の一つだ。

「お金がない」を理由に断ろうと考える若者も多い。ところが前述の学生の例のように、「すぐにもとが取れる」「分割なら負担が少ない」などと借金やローン、クレジットカード契約などを勧められる。若者は強く言われると押し切られてしまいがちだ。

関連記事

トピックス

高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン