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阪神・矢野監督の「今季で退任」発言で元球団社長が抱く“大きな心配”

虎には戦力補強が必要そうだが…(時事通信フォト)

矢野監督の「今季で退任」発言が波紋(時事通信フォト)

 キャンプイン前日という異例のタイミングで「今季限りで退任する」とナインに公表した阪神・矢野燿大監督(53)。この発言は今季のチームのあり方にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。発言翌日、キャンプを視察した百北幸司・球団社長は「(退任の公表は)事前に聞いていた」とコメントしたが、「私なら全力で発言を止めていたでしょうね」と語るのは、2001~2004年まで阪神の球団社長を務めた野崎勝義氏(80)だ。

 野村克也氏、星野仙一氏、岡田彰布氏の3監督を支えた野崎氏は、今回の退任公表について、「昨年のシーズン終了後に辞任を申し出た矢野監督を全力で慰留した藤原崇起・球団社長と谷本修・球団副社長が揃ってその職を退任したことで、責任感の強い矢野監督が自身の今季限りの退任公表を決意したのでしょう」と、その心情を察しながらも、「キャンプ直前の発言となったことで、チームの戦意が高まるどころか逆効果になるのではないか」と心配する。

 それというのも、野崎氏には苦い記憶があるからだ。野村克也監督の3年契約最終年だった2001年3月に、妻・野村沙知代さんの脱税疑惑が発覚した。週刊誌が大きく報道するなか、在阪のスポーツ紙が「野村監督、今シーズン限り」と見出しを打ったのだ。

「阪神の“機関紙”とも言われる在阪スポーツ紙が書いたことを重く見て、業務妨害であるとして即出禁にしました。これから1年間、戦おうとしているのに、選手やコーチが動揺しますよ。実際、開幕戦で巨人に大敗すると、連敗が続いて6月には最下位の指定席に。士気が上がらないまま3年連続で最下位になった。本来、監督が1年契約なのか3年契約なのかといったことも口にしてはいけない。それぐらい選手は監督の顔色を見ている」(野崎氏)

 野崎氏によれば「矢野監督は星野監督を尊敬し、星野監督も一番弟子として認めていた」という。その星野監督は、阪神の監督就任2年目の2003年にリーグ優勝したが、シーズン終了後に健康問題を理由に勇退している。

「試合中に高血圧で4回も倒れており、星野監督はオフに辞任することを早くから決めていた。しかし、それを我々の耳に入れたのはリーグ優勝後のことでした。星野監督が球団幹部にさえ辞意を伝えなかったのは、選手が動揺することを心配してのこと。我々もその意を汲んで日本シリーズが終わるまで公表しないことに決めていました」(野崎氏)

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