ただ、かつてほどの過激な演出はなくなったものの、不安やトラウマにフィーチャーするような演出が多いのは同じ。そもそも民放連の放送基準「8章 表現上の配慮」には、「(54)占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない」と書かれています。
コロナ禍が長期化した現在は人々の不安が増しているだけに、占い師による断定的なコメントや、占いを絶対視させるような演出は避けるべきでしょう。コンプライアンスの遵守が求められる中、むしろ「占いが苦手」「占いは信じない」という人を出演させるくらいのバランス感覚が必要なのかもしれません。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。