「夜8時を過ぎるとお店に顔を出す、お母さん(キイさん、93歳)のファンも多いんだよ。佳子さんはサバサバしていて、お母さんはチャキチャキ、日本橋の名物母娘だね」(同前)
この日はまだ店に来る前だったキイさんは、毎日のように健康センターに通い、フラダンスやストレッチなど運動を欠かさないのだという。93歳にして現役の秘訣なのだろう。
「父が東京・亀戸でやっていた酒屋が戦争で焼けちゃって、ここ(日本橋)に移ってきたのが戦後すぐ。平屋で酒屋を商っていました。私は、喫茶店をやりたかったんですけど、『うちは酒屋なんだから立ち飲みにしなさい』って母に言われましてね(笑い)。
昭和54年に今のビルに建て直してから、角打ちをやるようになったんです」(女将)。
「母と一緒に角打ちを始めて42年、お客さんのおかげでなんとかやって来られましたね」と語る女将も客らに促され、『焼酎ハイボール』で乾杯となる。
「スッキリとしていて、心地よく酔える、焼酎が味わい深いね。馴染みの落ち着く店で、いつまでも飲んでいられる酒なんだ」(40代、金融業)
またひとつ、笑顔が灯った。
2021年11月11日取材
■小野屋
【住所】東京都中央区日本橋1-14-6
【電話番号】03-3271-3310
【営業時間】平日17時~20時30分(アルコール提供は20時まで)、土・日・水曜定休
焼酎ハイボール340円、ビール大びん620円、ポテトサラダ420円、コンビーフサンド1000円、ネギ玉子やき450円
※営業時間等は店舗にお問い合わせください。