宇髄は炭治郎たちにぶっきらぼうに接するが、その厳しさは、あくまで“フェアな厳しさ”だ。
「炭治郎たちと遊郭に向かうことになるシーンなどは典型的で、必要な人員を的確に取り揃え、『自分に従え!』と強引に切り出すせいで善逸には厭われます。宇髄天元さんは好かれるために忖度しようとは一切せず、あくまで柱としてのミッションにこだわります。その上で、自分に楯突く生意気な部下だからといって、『嫌いだから不公平に扱う』といった対応もしておらず、常にフラットでフェアです。
優先順位を履き違えず、あくまでチームとしての目標達成にこだわり、その上で実は、『お前らの命が一番大事だ』という個々への気遣いも持っている宇髄天元さん。わかりやすく好感度が高いお人好しではないかもしれませんが、職場において理想の上司なのだといえるのではないでしょうか」
作中、もともと宇髄は忍の一族の頭領候補として修練を積んでおり、その経験の中でリーダーシップを身に着けたのだろう。鬼殺隊の当主・産屋敷耀哉は、マネジメント能力の高さも見込んで宇髄を柱に任命したのかもしれない。
◆取材・文/原田イチボ(HEW)