芸能

清原果耶『ファイトソング』で鬼のコスプレをしても作業着姿でも失わない「らしさ」

その演技力は、ベテラン俳優、女優たちから太鼓判を押されている

その演技力は、ベテラン俳優、女優たちから太鼓判を押されている

 SNSでも飛び交うドラマ評、視聴者の視点は多岐にわたる。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 いよいよ終盤にさしかかった今期のドラマ。何とか盛り上げて着地したいと制作陣は願っているはず。主役の評判について言えば、やはりダントツで話題を集めているのが『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系月曜午後9時)の菅田将暉さんでしょう。久能整という人物そのものに成り切りドラマ世界を成り立たせ、がっちりと固定ファンを掴んでいます。

 一方、これまで安定感バツグンで盤石と見られてきた黒木華さんはどうか?  特に今年2022年は黒木さんがドラマデビューして10周年と記念の年。『ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系木曜午後10時)では、大手出版社が運営するニュースサイト編集長・瀬古凛々子という主役を演じている黒木さんですが、どこか物足りない。もっと演技派のはずなのに、インパクトが足りないように感じてしまうのはなぜなのか。

 凛々子という人物を、敢えて棒読みセリフで「何を考えているかわからない」謎のある人として造形していますが、一方では他人に判断できないことを揺るぎなく断言したり、強い正義感でぐいぐいと取材を進めていく。いったいどのような哲学で生きているのか、凛々子という人の設定の狙いや魅力が少々わかりにくい。

 撮影前のインタビューにおいて、「本読みで黒木さんご自身が何かつかんだことはありましたか?」と問われた黒木さんは、正直に「まだわからないことが多いですね」(「オリコンニュース」2021.12.16)と答えていました。ドラマがスタートして中盤を過ぎても、未だに「わからない」状態が継続している気配。

 追い打ちをかけるのが、お仕事ドラマにしては描かれた仕事の内容が薄いこと。ニュースサイト編集部が物語の舞台となっていますが、PV稼ぎにSNS炎上、フェィクニュースと今風の話題を解説するようでいて実はエピソードがチープで使い古された感あり。「もう少し現場を取材してくれていたら、リアリティが出たのに」とマスコミ業界からも残念がる声が届く。

 では、若手女優で「今最も注目度が高い1人」と言えるあの人はどうでしょう? NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』でヒロインを演じた直後、民放ドラマで初主演している清原果耶さん。

 その清原さんが主役・花枝を演じる『ファイトソング』(TBS系 火曜午後10時)は……児童養護施設で育った花枝は突然の事故に遭い、空手選手になる夢を諦めハウスクリーニングを仕事にしている。さらに発覚した耳の病。もしも手術を受けたら耳が聞こえなくなるかもしれない危機に直面した時に、偶然王子様のような一発屋ミュージシャン芦田春樹(間宮祥太朗)と出会い2人は恋のレッスンを開始する…。

関連記事

トピックス

メキシコのシェインバウム大統領(左)とトランプ米大統領(AFP=時事)
《ゾンビタウンも》トランプ大統領が関税措置の理由に挙げた「フェンタニル」問題 日本にとっても他人事ではない背景
NEWSポストセブン
水原被告がついた「取り返しのつかない嘘」とは
水原一平被告がついた「取り返しのつかない嘘」に検察官が激怒 嘘の影響で“不名誉な大谷翔平コラ画像”が20ドルで販売
NEWSポストセブン
折田氏が捜査に対し十分な対応をしなかったため、県警と神戸地検は”強制捜査”に踏み切った
《「merchu」に強制捜査》注目される斎藤元彦知事との“大きな乖離”と、折田楓社長(33) の“SNS運用プロ” の実績 5年連続コンペ勝ち抜き、約1305万円で単独落札も
NEWSポストセブン
ギリギリな服装で話題のビアンカ・センソリ(インスタグラムより)
《露出強要説が浮上》カニエ・ウェストの17歳年下妻がまとった“透けドレス”は「夫の命令」か「本人の意思」か
NEWSポストセブン
四川省成都市のPR動画に女性社長役で出演した福原愛(写真/AFLO)
福原愛が中国で“女優デビュー”、四川省の“市のPR動画”に出演 バッチリメイクでハイヒールを履きこなす女社長を“快演”、自虐的な演出も
女性セブン
ベルギー・サッカー元代表でコカインの密輸に関与した疑いで逮捕されたラジャ・ナインゴラン(Xより)
《欧州サッカー界のトラブル男》首に赤い薔薇、右手に謎の日本語…全身タトゥーの“赤い悪童”(36)がコカイン密輸疑惑で逮捕
NEWSポストセブン
車に乗り込む織田裕二(2025年1月)
《フジテレビ騒動の影響》織田裕二主演映画『踊る捜査線 N.E.W.』、主要キャストに出演を打診できないままピンチの状態 深津絵里の出演はあるのか
女性セブン
大木容疑者(共同通信)。頭部が遺棄された廃マンション
《東大阪・バラバラ遺体事件》「部屋前のインターホンが深夜に鳴った。それも何度も」女性住民が語った“恐怖のピンポン”「住民を無差別に狙っていたのか…」
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』のスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
「くすぶって終わりたくない…」 織田裕二がバラエティ出演を辞さなくなった切実な背景《『世界陸上』に緊急復帰の理由》
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「従業員の人が驚くといけないから…」田村瑠奈被告が母・浩子被告に告げた「殺害現場のホテルをキレイにした理由」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「1000人以上の男性と関係を持った」金髪美人インフルエンサー(25)が“乱倫パーティー動画”削除の大ピンチ《世界に波及する“奔放な女”の影響力》
NEWSポストセブン
ビアンカ・センソリ(カニエのインスタグラムより)
《過激ファッション》カニエ・ウェストの17歳年下妻、丸出しドレスで『グラミー賞』授賞式に予告なく登場「公然わいせつ」「レッドカーペットから追放すべき」と炎上
NEWSポストセブン