国内

ネットでの不正行為多発時代 「宿題代行」「卒論代行」に手を染める若者も

大学入学共通テストで、「世界史B」の試験時間中に問題用紙を写したとみられる画像[大学生提供](時事通信フォト)

大学入学共通テストで、「世界史B」の試験時間中に問題用紙を写したとみられる画像[大学生提供](時事通信フォト)

 2022年1月に行われた大学入学共通テストで、試験時間中にインターネットを通じて世界史Bの問題が流出した。家庭教師紹介サービスを悪用し、高2女子を名乗って「家庭教師としての実力を試す」という名目で都内の東大生等に解答させていたのだ。なぜこのようなネットを使った不正行為が続くのか。若者のネット利用における事件とトラブル実態に詳しい成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんに聞いた。

 * * *

 利用されたのは、ある家庭教師紹介サービスだ。サービスに登録すると、家庭教師として登録している大学生等にメッセージが送れる。やり取りの後、合意すれば、オンラインで教わることができる仕組みだ。

 東大生等は女子高生を名乗る人物から、「家庭教師としての実力を試したいから、試しに解いてほしい」などと、あらかじめ時間指定をして依頼を受けていた。大学入学共通テストの初日である1月15日の試験時間中に、世界史Bの問題用紙が写った画像が通話アプリSkype経由で送られ、東大生等は共通テストと知らずに解答を送り返していた。

 サービスでは、生徒側は名前や電話番号、クレジットカード番号等は入力するが、本人確認は行っていなかった。しかし、クレジットカード番号ややり取りに使ったSkypeなどをたどれば特定は可能だ。

 2月には、香川県警に出頭した受験生の女子大生(19)と、画像を送る中継役をしたシステムエンジニアの20代男性が、偽計業務妨害罪で書類送検されている。男性は女子大生から受け取った動画を静止画にして東大生等に送信していた。

試験中のスマホ利用は厳しく禁止されている

 女子大生は、他の大学に入り直そうとしたが成績が伸び悩み、このような行為に手を出してしまった。上着の袖に隠したスマホで試験問題を動画撮影、送信したという。このニュースを聞いたある受験生は、驚きを隠さない。

「成績が上がらなくて不安でいっぱいになる気持ちはわかる。でも、不正行為をしたら失格になるし、これまでの努力が無駄になる。試験会場ではスマホの電源を切るように強く言われていたし、そんなことができるとはちょっと考えられない」。

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
チームを引っ張るドミニカ人留学生のエミールとユニオール(筆者撮影、以下同)
春の栃木大会「幸福の科学学園」がベスト8入り 元中日監督・森繁和氏の計らいで来日したドミニカ出身部員は「もともとクリスチャンだが幸福の科学のことも学んでいる」と語る
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン