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体内時計が夜型になると風邪の治りも悪くなる(写真はイメージ)

 体内時計は決まった時間に太陽の光を浴びることで規則正しくリセットされるが、寝坊すると、そのリズムが崩れてしまう。

 さらに、本来なら休息の時間帯である夜間に食べたものは、内臓が正常に働かないためエネルギー代謝より脂肪合成の方が活発に行われ、肥満につながりやすい。

「肥満は糖尿病や高血圧のリスクを高めます。ほかにも、体内時計の乱れは体内に炎症を起こしやすく、免疫系の働きを悪くすることも知られている。早朝だけ起こっていたぜんそくの発作が時間に関係なく起こるようになったり、花粉症が悪化するリスクも上がる。はっきりした理由はわかっていませんが、体内時計の乱れがうつ病などの精神疾患の一因になるともいわれています」(柴田さん)

 体内時計が狂うことで、がんを引き起こすことも指摘されている。

「がん細胞は、誰でも毎日一定数が体内に発生しますが、健康な人であればリンパ球の働きで取り除かれています。体内時計が狂うとリンパ球が充分に働かず、がんになる可能性も高まります」(根来さん・以下同)

 ウイルス感染後の回復力も、体内時計が乱れていると低下する恐れがある。

「ウイルスを攻撃する働きもあるリンパ球は、就寝時など、リラックス時に優位になる副交感神経によって活性化します。風邪をひいたとき、よく寝ると治るのはそのおかげです。副交感神経は、体内時計のリズムが整っているほどうまく働きます」

 新型コロナウイルスの重症化を防ぐためにも、気を引き締めて規則正しい生活を送るべきだ。

朝食抜きは絶対ダメ

 では、具体的に何をすれば体内時計を整えられるのか。生活習慣ごとに確認したい。根来さんは、朝食が最も重要なポイントだと説明する。

「体内時計を刻む『時計遺伝子』は、人の60兆個に及ぶ全細胞が持っています。なかでも、『腹時計』といわれる胃腸の細胞にある『子時計(末梢時計)』は、朝起きて食事を摂ることで全身のリズムを整える役目を担っている。目覚めてから1時間以内に食べることで、全身の細胞を同調させるのです」

 生物の体内時計に詳しい国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構上級研究員の大池秀明さんもこう言い添える。

「朝食は食べないけれど、昼は必ず同じ時間に食べるという人がいます。一見、規則正しい習慣のように感じますが、体内時計はというと、夜型にずれていきます。朝型になるためには、少しでもいいから必ず朝食を食べて体内時計をリセットしてください」

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