痙攣時は動画を撮っておくと良い
痙攣/治まっても必ず病院へ
痙攣とは、意識がなくなって倒れ、目の焦点が合わず、体は硬直してピクピクしている状態だ。
「主な原因としては、てんかん、腫瘍、加齢などによる脳の問題、薬物や中毒性物質を食べたことによる中毒症状などが挙げられます。さらに子犬・子猫の場合は、低血糖症を発症している場合もあります。子犬や子猫は体が小さく、栄養分を体内にあまり蓄えられないので、わずか1食抜いただけでも低血糖に陥ってしまうんです」
とは、シリウス犬猫病院・院長の石村拓也さんだ。
「低血糖が原因の場合は、濃度20%の砂糖水、またはガムシロップの原液を舐めさせることで回復しますが、それ以外の場合は、すぐにかかりつけ医に電話して、動物病院へ連れていきましょう。その際、倒れているペットを素手で抱きかかえると反射的に噛まれる恐れがあるので、タオルや毛布などでやさしく包んであげてください」(石村さん・以下同)
痙攣発作は数分で治まるケースがほとんどで、病院に到着する頃には落ち着いている場合が多い。たとえ症状が落ち着いても、痙攣の裏にどんな重大な病気が隠れているかわからないので必ず受診すること。特に中毒症状の場合、痙攣が治まってもすぐに治療をしないと死亡する恐れがある。その際、痙攣の状態を正確に伝えるためにも、動画を撮っておくのがおすすめだ。
嘔吐&下痢/吐しゃ物などは必ず持って病院へ
嘔吐や下痢への対処法は?
犬や猫は、健康でも日常的によく吐く。吐いてもその後、いつも通りの量のご飯を食べ、体調に変化が見られなければ、急を要することはない。ただし、1日に何回も吐いている、週2回以上吐く、食欲がない、嘔吐以外に下痢もする、明らかに体が熱い、体重が減ってきた、吐しゃ物に混入物がある、吐しゃ物からうんちのにおいがするなどの場合は、すぐに受診した方がいい。
「猫の場合、尿道に石が詰まっておしっこが出なくなり、それが原因で気持ち悪くなり、嘔吐してしまう子もいます。このように原因は多岐にわたるので、飼い主が判断するのは難しく、家でできる処置はほぼありません」
それよりも、吐しゃ物や下痢、血便などを“ベストな状態”で動物病院に持っていくことが大切だという。
「持参する際は、水分が蒸発しないよう、吐しゃ物やうんちはラップに包んで持ってきてください。おしっこは、ペットシーツを裏返しにし、そこにたまったおしっこをスポイトなどで吸いあげ、紙コップなどに入れて持ってきてください。その方が、症状が正確に判断でき、その後の治療もスムーズに進みます」
下痢も尿もペットシーツに吸わせてしまうと水分量がわからなくなるので、おすすめしないという。現物の持参が難しい場合は、せめて写真を撮って持っていこう。
取材・文/鳥居優美 イラスト/尾代ゆう子
※女性セブン2022年3月17日号