国内

高市早苗独白60分 「後見人・安倍晋三」と女性総理への道

高市早苗・政調会長にノンフィクションライターの常井健一氏がインタビュー

高市早苗・政調会長にノンフィクションライターの常井健一氏がインタビュー

 世界では続々と女性リーダーが誕生しているのに、日本ではいまだ実現していない。それほどまでにこの国の「ガラスの天井」は硬いのか──。先の自民党総裁選で岸田総理に肉薄した高市早苗・同党政調会長(61)は、日本初の女性総理候補のひとりと目される。ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。【全4回の第1回】

 * * *
──高市さんといえば、保守系言論誌で独自の国家像を打ち出す硬派な論客、という印象が強かったのですが、昨年9月の自民党総裁選に出た際、いろんなメディアに登場する様子を見て、イメージが変わりました。

「え?」

──高市さんと同じ、関西出身の替え歌のカリスマ、嘉門タツオさんと対談しましたよね?

「ああ(笑)。『チャラリ~、鼻から牛乳~』ね。あれを『チャラリ~、奈良から総裁~』と嘉門さんがアレンジしてくださっていましたね」

──嘉門さんがそれを口ずさんだ瞬間、隣に座っていた高市さんが不意に立ち上がって、「ヨッシャ」と呟いた。「強いリーダー」を演じる総理候補に、こんな気さくな一面があるんだと初めて知った読者も多いと思います。

「実はあの総裁選の間、コロナワクチンの副反応がひどくて、昼間はほとんど議員宿舎でダウンしていたんですよ。発熱はなかったのですが、体中の関節が痛んで、まともに歩けない状態でした。1日に3錠しか飲めない鎮痛剤を20錠も飲みながら討論会に臨んでいたんです」

──全然、そうは見えませんでした……。

「それだけ薬を飲むと腸が荒れて、座っているだけでお尻から血が噴き出るんです。それでも外に出れば、カメラで撮られるから、力強く歩かなければならない。朝と夜のテレビ討論会に出る直前にも4錠くらい鎮痛剤を飲んで、頭がボーッとして司会者の言っていることがよく理解できない時もありました。だから、自分の考えを一方的に話していた感じがします。ホントに反省です」

──見ている方は日に日に議論が深まっていく感じがしましたけど、舞台裏では大変だったんですね。総裁選中には、夜の自宅でTシャツ姿でくつろいでいる様子も映像で流れていましたよね。

「実は、あれが困ったんや……」

──いったい、何が?

「私は家事もダメだし、料理もヘタやし、何の取り柄もないんですが、テレビ局からあの映像を撮りたいと言われた時は部屋じゅうが『書類の山』で、片付いていなかったんです。総裁選の直前に政策集を1冊書いたでしょう。私は自分で原稿をパソコンで打って、校正も自分でやります」

──高市さんクラスの政治家になると口述筆記にして、秘書に丸投げする人がほとんど。ちゃんと自分で書く人は珍しい。

「でも、自分が持っている情報が古い場合もあるし、海外の事情も含めてファクトチェックをしないといけないから、役所や国会図書館から最新の資料を取り寄せます。それがいくつもの山となり、リビングを埋め尽くし……。ワクチンの副反応で指関節もイカれていたから片付けができなかった」

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン