撮影現場での小池とのやりとりにも舌を巻いた。

「役柄の理解度が深く、質問が的確なんです。『私はこう感じたけど、これでいいですか?』と、こちらがイエス・ノーで答えられるような具体的な質問をしてくる。時々大胆なことも聞いてくるんですが、演出家としてはそれも嬉しい。そこまで考えてくれているんだと。

『カンブリア宮殿』のMCが務まるのも、勉強量と読書量が半端じゃないからでしょう。『八日目の蝉』の46日間の撮影期間中だけでも10冊くらいは本を読んでいたんじゃないかな。他の女優さんはセリフの最終確認をしているんですけど、彼女は小説だけじゃなくていろんな分野の本をとにかくずっと読んでいた。でもセリフは完璧に入っている。その姿がすごくかっこよかった。僕が出会った女優のなかで一番の勉強家で、読書家です」(成島氏)

『鎌倉殿の13人』では、後に“尼将軍”として権勢を振るう北条政子という大役を務めている小池。成島氏はその演技についてこう語る。

「三谷幸喜さんの音符の上にちゃんと乗って演じているなあと思います。この先は、命尽きるまで女優で居続けてほしいし、僕もいろんな年代の彼女を撮り続けたいと思う。50代・60代になっても主演を張った樹木希林さんのような女優です。彼女の後継者になってほしいですね」

 動乱の時代を強く生き抜いた北条政子を、今後小池栄子はどう演じてみせるのか。

(了。前編から読む

※週刊ポスト2022年3月18・25日号

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