「AIのべりすと」のイメージキャラクター。「とりんさま」(緑髪)と「ワーズ」(黄髪)
もしもAIが人間に反撃してきたら?
ではストーリーはどのような仕組みで展開されるのか。「AIのべりすと」には、「キャラクターブック」や「脚注/オーサーズ・ノート」といったメモ機能が付いている。AIは前文までの展開を受けると同時に、ユーザーの設定したメモを参照しつつ、物語を紡いでいく。こうした設定をすべてユーザー自身が行うことに意味がある、とStaさんは話す。
「『AIのべりすと』では、意図的に、内部の動きや機能を見せるようにしています。ユーザーが自由にいろいろ調整できるようにしている。AI黎明期の今は、AIに懐疑的な見方をする人もいます。それは当然のことで、人は分からないものや知らないものに怖さを感じるから。どうやって動いているのか、どういう仕組みになっているのかが分かれば、怖さはなくなっていくと思います」
AIの進化とともに、「AIは人間の仕事を奪うのか」という議論が続いている。また、小説を書くなど、クリエイティブな仕事にAIを使うと、人間の創造性が減退するのではと懸念を抱く人もいるかもしれない。そうした問いに対して、Staさんは、「『AIのべりすと』が、AIを学ぶ一つのきかっけになれば」と答える。
「大袈裟な話ですが、SF小説のように、もしもAIが人間に反撃してきた場合、AIがどうやって動いているかが分かっていれば、止めることができると思うんです」