ライフ

「AIのべりすと」開発者・Staさんが描く未来「理想は友達のようなAI」

文章を書くためのAI「AIのべりすと」を作ったStaさん。人間のためのAIを突きつめたいと語る

文章を書くためのAI「AIのべりすと」を作ったStaさん。「人間のためのAI」を突き詰めたいと語る

 先月、日経「星新一賞」(日本経済新聞社主催)に、初めてAI(人工知能)を使って執筆された小説が入選し、話題を集めた。AIが進化し、我々の生活やビジネスに浸透しつつあるなかで、文章を書くために作られたAIも誕生している。その一つ、「AIのべりすと」を作成したのは、ゲームクリエイターのSta(すた)さん。なぜ文章を書くためのAIを作ったのか? 人間とAIが共存する未来像とは? 「AIのべりすと」を使った文学賞の開催を機に、Staさんに話を聞いた(前後編の後編)。

 * * *

「人間のためのAI」を突き詰めていきたい

 ゲームクリエイターのStaさんは、小説や文章を書くためのAIである「AIのべりすと」を、たった一人で作り上げた(「AIのべりすと」の仕組みについては【前編】をお読みください)。その動機は何だったのか。

「ゲームのプロットやシナリオを書くときの補助にしようと思って作り始めました。僕自身、ゲームを作る作業のなかで、その6割から7割くらいが、クリエイティブではない時間です。クリエイターって、意外とクリエイティブじゃないことに費やす時間が多い。それをなんとかしたいというところから始まっています」

 クリエイターのためのAIを作りたい。文章を書く「AIのべりすと」はそうして生まれた。Staさんは、世界中にファンを持つゲーム・アプリ「Tone Sphere」などを開発したクリエイターだ。幼い頃からパソコンに興味を持ち、小学生で不登校になるも9歳で200本のゲームを作成した実績を持つ。

 そしてStaさんが手掛けるAIは「文章」に留まらない。

「今作っているのは、簡単な線を描いたらきれいな円に換えてくれるAIや、『眼鏡をかけた長身の男性』とか『学生服を着た女の子』と文章でオーダーすると、その通りのキャラクター画像を描いてくれるAIなどです。やりたくないことが何かは人によりますが、人間がやりたくないことをAIにやってもらうことはできないか。そうした人間のためのAIを突き詰めていきたいと思っています」

関連記事

トピックス

第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン