解放されたキーウ州の様子(写真/共同通信社)
4月1日に国連が公表した北朝鮮に対する制裁の実施状況を調べた報告書では、ロシアにいる北朝鮮の外交官がミサイルの部品調達に関与していると明らかにされた。
かねてからの蜜月を現在さらに深めようとしているのは、ウクライナ侵攻の結果が両国の将来に大きな意味をもたらすからだ。辺氏が語る。
「ロシアと北朝鮮にとって共通の敵はなんといってもアメリカです。今回のウクライナ侵攻でも北朝鮮は、『根本的な原因は、アメリカと西側諸国の覇権政策』と非難しています。北朝鮮にとってロシアの敗北はアメリカ帝国主義の勝利を意味し、決して傍観できません。金正恩総書記はこの先も、大恩人であるプーチン大統領と協力を深めると考えられる」
アメリカも両国の関係を警戒しており、ウクライナ侵攻中の3月24日に米国務省は、北朝鮮の弾道ミサイル開発にかかわる技術を供与したロシアと北朝鮮の5企業・個人に制裁を科すと発表した。
※週刊ポスト2022年4月22日号