一方、漫画家デビューしたものの盗作騒動に巻き込まれた女子高生鬼頭はるか(志田こはく)は、よくわからないままに自らもイエローのオニシスターに。その場にいたピンクのキジブラザーとともに人の欲望から生まれるモンスター“ヒトツ鬼”とヒトツ鬼を人間ごと消去しようとするダークな組織「脳人(ノート)」と戦う。
さらにブルーのサルブラザー、ブラックのイヌブラザーも加わり、敵と激突。そして、闘いが激烈になったその時、どこからかお囃子のような音が。なんと白い羽衣の天女たちが舞い踊り、祭り男たちが担ぐ真っ赤な神輿の上に真っ赤なバイクにまたがるドンモモタロウが姿を現した。
盛り上がった彼は額のピンクの桃を輝かせながら、「袖すり合うも他生の縁、つまずく石も縁の始まり」「悩みなんてぶっ飛ばせ!!」と大張り切りで飛び回る。
踊り連を引き連れる戦隊ヒーローというのもびっくりだが、この時点で、ヒーローたちはお互いのことをよく知らないままに戦っていたのである。しかも、キジブラザー(鈴木浩文)は新婚のサラリーマン、サルブラザー(別府由来)は喫茶店「どんぶら」の支払いを「俳句で」なんていう無職の風流人。イヌブラザー(柊太朗)は無実の罪で警察に追われている。ライフスタイルもさまざま。ドンブラザーズには、それぞれの事情があるのだ。
さらにドンブラザーズは、アバタロウギアを使うとさらに歴代スーパー戦隊の姿にもアバターチェンジが可能なのである。アバター三昧、さすが暴太郎。ハイスピードの展開にクラクラしそうなときもあるが、「これは?」「なんと!」とびっくりしていると、ドンモモタロウの「めでたし、めでたし」で一件落着する。この力技が面白すぎて癖になることも確かだ。各地で盛大に祭りができない昨今、突き抜けたお祭りキャラに、気分があがる。それでいいのだ。