●通好み
『三枚起請』
【内容】結婚の約束をえさに金を巻き上げられるなど、散々な目に遭った3人の男が花魁を問い詰めると、「花魁は騙すのが商売だ!」と逆に開き直られる。花魁の威勢のよさが、女性には痛快。
『中村仲蔵』
【内容】「忠臣蔵」五段目の斧定九郎役に指名され、やる気をなくす歌舞伎役者の中村仲蔵が、妻の励ましで大役者になる話。「五段目は『忠臣蔵』で最もつまらないため、観客が弁当を食べる“弁当幕”といわれます。これを知っていると、仲蔵の失望や喜びがより理解できます」(つる子・以下同)。
『浜野矩随』
【内容】腰元彫り(刀剣の付属品の彫刻)名人の父を超えられず、死のうとする息子が、母に「形見の一品を」と頼まれ、素晴らしい作品を彫り上げた。息子と水杯を交わした母は……。「切腹の前に2人で水を半分ずつ飲むしきたりがありました。母がその後自害をするか、一命を取り留めるか、師匠によって結末が違う噺です」。
【DATA】
林家つる子
生年月日…1987年6月5日
出身地…群馬県高崎市
入門…2010年9月、前座:2011年11月、二ツ目:2015年9月
師匠…林家正蔵
出囃子…藤音頭
趣味・特技…日本舞踊、中国語
公演情報…「林家つる子独演会〜日本橋のつる子、たっぷり三席〜」5月14日(土曜)日本橋社会教育会館ホールにて。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年4月21日号