痛風の痛みの原因である尿酸の結晶(写真/AFLO)
大竹:見たことある。あのトゲトゲのヤツですか。
義太夫:医者が驚いて、「これ、学会に持って行っていいですか?」って。だからどこかの学会で、僕の尿酸の結晶が発表されている。
大竹:僕が見たことあるのは義太夫さんのだったんですか(笑)。ちなみにその時の尿酸値は?
義太夫:17ですね。尿酸の結晶は、ガラスが割れたみたいに尖ってるんですよ。それが血管を突き破って神経に刺さるから痛いんだと言われました。
大竹:僕が昨年、医者に「本年の当院の最高値でした」と笑いながら言われた時でも13でしたよ。
黒川:いやいや、13というのもかなりのもんです。
大竹:実はコロナの自粛明けに久しぶりに朝から飲んで、階段から落ちて肩を脱臼骨折したんです。その時は痛風と肩を並べるくらい痛かったですね。
黒川:足の親指の付け根に出やすいと言われるけど、痛む場所も痛み方も人それぞれですね。
大竹:コロナワクチンを打つ時も「痛風なんですけど、大丈夫ですか?」って聞いたら、「痛風は関係ない。バシバシ打っていい」って。なんで痛風はこんなに軽んじられるんだと驚愕しましたよ。
(第2回につづく)
【プロフィール】
黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/作家。1949年生まれ、愛媛県出身。京都市立芸術大学卒業後、大阪府立高校の美術教師を経て、1983年『二度のお別れ』で作家デビュー。2014年「疫病神」シリーズの『破門』(KADOKAWA)で直木賞受賞。著書多数。
グレート義太夫(グレート・ぎだゆう)/お笑い芸人。1958年生まれ、東京都出身。大学中退後アマチュアでのミュージシャン活動を経て、ビートたけし率いる芸人グループ『たけし軍団』に加入。身体を張った芸風で「たけし軍団の弁慶」と称される。
大竹聡(おおたけ・さとし)/ライター。1963年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。2002年にミニコミ誌『酒とつまみ』を創刊。『酒呑まれ』『酔っぱらいに贈る言葉』(ともにちくま文庫)など、著書多数。
※週刊ポスト2022年4月22日号