幸せな空気感がある

『チェリまほ』には幸せな空気感がある

 もうひとつ、二人の同僚・藤崎(佐藤玲)や愛妻家の先輩・浦部(鈴之助)、元魔法使いで情に厚い小説家の安達の親友・柘植(浅香航大)と彼のところに荷物を届ける宅配業者・湊(ゆうたろう)など、周りの人たちもどこかほんわかして、優しいこともこの作品の魅力。もしも、自分の周りに安達や黒沢のような二人がいたら、こんな風に接したいなと思えてくる。

 視聴者は、戸惑いや秘めた苦しさに耐えたり、思いが通じて舞い上がったりする恋愛当事者の気持ちに共感もできるし、二人の周囲の人々の優しさにも共鳴できる。いろいろな立場で、幸せな空気に包まれるのである。

 映画では安達が、長崎に転勤。互いの仕事を応援しつつも、遠距離になった二人の心情の変化や成長も気になるところだ。安達が作った不格好なオムライスを、「もったいなくて食べられない」黒沢。愛すべき彼らは、またまた笑わせてくれるが、メイキング映像を見ると、ひとつひとつの仕草や言葉の強弱にも気を配り、繊細に表現されているのだとわかる。そうして作られた場面の楽しさ、切なさに感じ入り、安心して身をゆだねる心地よさは、格別。今だから、余計にしみる気がする。赤楚、町田の代表作になったのは間違いない。

関連記事

トピックス

体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
タイトルを狙うライバルたちが続々登場(共同通信社)
藤井聡太八冠に闘志を燃やす同世代棋士たちの包囲網 「大泣きさせた因縁の同級生」「宣戦布告した最年少プロ棋士」…“逆襲”に沸く将棋界
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
睡眠研究の第一人者、柳沢正史教授
ノーベル賞候補となった研究者に訊いた“睡眠の謎”「自称ショートスリーパーの99%以上はただの寝不足です」
週刊ポスト
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン