少子化を加速させる4つの要因
もともとこの問題の背景には「未婚・晩婚化」という著しい傾向が出ていることがありますが、未解決のままとなっています。男性で生涯一度も結婚しない人が24%を超え、女性で一度も結婚しない人も14.9%に達しています。2019年の婚姻件数は59万8965組で、ピークだった1972年と比べると半分近くに減っています。また、初婚の平均年齢が上昇していて、男性は30.1歳、女性が28.3歳となっています。
もう1つ大きな問題として、配偶者がいる女性の出生率が低下しつつあります。もともとは、結婚した女性が産む子供の数は2人というケースが多く、理想の家族構成を聞いても子供2人という答えが多くを占めていました。そのため、有配偶者の出生率は2.0台を維持していたのですが、それが2015年に1.94と2を切るようになりました。
これは結局、結婚していない人が増えているということと、もう1つは晩婚化が進んだことによって高齢出産が増え、年齢的に2人目の子供を産むことができなくなっていると考えられます。
また、男性の長時間労働が慣行となっているため、夫が育児参加する率が低く、女性の「ワンオペ育児」が問題になっています。「ワンオペ」というのはコンビニでの就労などで問題になったように、人手が足りずに店員1人だけで働かされているということですが、女性のワンオペ育児というのは、育児、家事に加えて共働きで働いているというケースも出てきています。そうなると、とてもじゃないけれどやっていられないということで、子供2人なんてどだい無理だとなってしまいます。
3つ目は、出産・育児支援制度の不備が挙げられます。たとえば、OECD平均ではGDPの2.34%を家族問題に使っていますが、日本はその平均を下回っています。加えて待機児童の問題や不妊治療の所得制限などがあって、出産・育児のために国が全面的に支援するという形にはなっていないと言われます。