ぺこぱの2人とマドンナゲストとの絡みも見所(時事通信フォト)

『ぺこぱのローカル鉄道寄り道SP』も(時事通信フォト)

 また、ロケ番組の『帰れマンデー見っけ隊!!』(テレビ朝日系)は、4月25日に埼玉県秩父をフィーチャーしたほか、山梨県や千葉県房総半島も含めた広域戦略が見られます。さらに、イレギュラー企画の「埼玉めし旅」も過去2度にわたって放送されました。

 これら以外の番組でも、スポット的に北関東をフィーチャーするバラエティが目立ちます。

 今月放送された主な番組を挙げると、4月12日の『行列ゲット1000人旅』(TBS系)が「埼玉県を20日間大調査!行列グルメ一挙大公開!」、12日の『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(カンテレ・フジテレビ系)が「春の埼玉ロケ2時間SP」、18日の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)が「全国ご当地問題~埼玉編~」、23日の『ぺこぱのローカル鉄道寄り道SP』(テレビ東京系)が「埼玉県熊谷から秩父を目指す秩父鉄道の旅」、26日の『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)が「北関東ドカ盛り店の謎」。

 コーナーの一部で扱われたケースを合わせたら、さらに多くのバラエティが北関東をフィーチャーしていますし、わざわざ「埼玉」「群馬」などとエリア名を打ち出している以上、決して「たまたま重なっただけ」ではありません。実は「北関東をフィーチャーしたほうがいい」は、民放各局の編成・制作などでは周知の事実なのですが、その理由はどんなことなのでしょうか。

「どこで」より重視される「何歳が」

 コロナ禍に入って以降、見逃し配信の再生回数が飛躍的に増え、今春には同時配信の足並みがそろうなど、ネット配信の重要性は高まる一方。ただそれでもネット配信における広告収入や有料会員収入はまだまだ少なく、放送における広告収入に頼る状況が続いています。

 民放各局にとってつらいのは、YouTubeやNetflixなどのライバルに加えて、「テレビ番組のネット配信視聴が広がるほど視聴率が下がってしまう」というジレンマを抱えていること。それでもこれまで通り視聴率は獲っていかなければいけないため、その戦略の1つとして北関東をフィーチャーしているのです。

 北関東に限らず都市部以外の人々は、地元関連のネタが放送されるとき、その貴重さと親近感から「リアルタイムで見よう」という意識が強くなり、局所的に高視聴率を獲得するケースが少なくありません。もともとビデオリサーチによる視聴率調査は、国勢調査の統計情報をもとに基準世帯を抽出していますが、北関東は広告取引の最重要指標である関東地区の一部であり、全体の数値に影響を及ぼします。

 現在もメディアは世帯視聴率を報じるケースが多く、個人視聴率を添えたとしても、そのほとんどが個人視聴率の“全体”(全世代)のみであり、「どんな層の人にどれだけ見られていたか」が報じられることはほとんどありません。ところが現在の広告取引で重視されているのはスポンサー受けがよく、民放各局がメインターゲットにしているコア層(主に13~49歳)であり、「『どこで』より『何歳が』のほうが優先されている」という話を某局のテレビマンから聞きました。

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