頸椎人工椎間板の画像

頸椎人工椎間板の画像

 前方除圧固定術は2つの頸椎間の椎間板を取り除いた後で固定するため、関節として動く場所を1か所治療すれば5つの関節が、2か所の治療では4つに減る。そのせいで他の頸椎に負担がかかり、別の箇所でも頸椎変性症が起こりやすくなる可能性もある。

 そこで頸椎を固定しない頸椎人工椎間板置換術が登場した。首の前方を切開し、神経の圧迫を取り除くまでは前方除圧固定術と同じだが、椎間板を取り去ったスペースに可動性を持つチタンやプラスチック製の頸椎人工椎間板を留置する。これは頸椎の可動性を保持して隣接部の障害を防ぐ目的で開発され、自然に近い首の動きが可能となった。

「この治療は日本では2017年に保険適用になりましたが、当初1年間は認可された施設だけで行なわれました。現在は医師の基準を満たし、講習会を受講した施設での実施が可能となっています。対象は骨や椎間板の変性が比較的少ないなど限定されており、適さない症例に実施した場合には不具合が生じる可能性もあります」(尾原准教授)

 アメリカでは10年以上前に導入されたが、現在の実施数は前方到達法の5%程度だ。

 治療を希望する場合、専門医とよく相談することが重要で、それが治癒の第一歩となる。

取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2022年5月6・13日号

尾原裕康/順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経外科・脊椎脊髄センター准教授

尾原裕康/順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経外科・脊椎脊髄センター准教授

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン