「芸能に対して恩返ししたい」と語る崎本大海
芸能界でもお金に困っている人は多い
自身も身を置く芸能界こそ、「お金」の話をしにくい空気がある。そうした芸能界に対しても資産管理アドバイザーとして何かできればと崎本は言う。
「ありきたりに聞こえるかもしれませんが、芸能に恩返ししたいという思いもあります。昔、自分が主演した舞台の制作会社が、その後倒産したことがあったんです。そうしたところに対して、業務改善、企業再生やM&A、資金繰りの悪いところに適切なファイナンスを行なえるようになったら倒産する制作会社も減るだろうなと思っています。財務の面だけでなく作品づくりでも協力していけるファンドができたらいいな、と。金融の面から、今よりも風通しの良い芸能界にしていきたい、という思いもあります。
芸能界でも、かつての僕と同じような境遇の人の話はよく聞きます。消費者金融は当たり前で、知り合いから50万円、100万円を借りたり、『副業で事業をやりたい』と言ってお金を引っ張ったりしている人、お金がなくなって夜のバイトがメインになっている人。芸能人は30代以降は仕事も限られてくるし、若い頃のような固定ファンもつきにくくなる。年を取れば収入が安定するという仕事でもない。次第にお金目線で仕事を選ぶようになったり、『○○はコレでうまく稼いでいるらしい』といったうまい話、安易な道に走ってしまうという話も耳に入ってきたりするんです。だからこそ、僕がしっかりお金を守ることも、増やすことも一緒に考えて、教えられるようになりたいのです。
役者で売れなくなって、貧乏になって借金を背負ったというカテゴリーは特別でもなんでもない。そんな人はいっぱいいますからね。ただ、そんな風になりかけている人に、『崎本大海ってこんな思いしたんだな、それなら話しやすいな』って思ってもらえるといいな、と。上から目線ではなく、同じ目線に立った人間だからこそできることがあるはずです。
今、自分がお金で苦労した経験を表に出して、自分がマイナスからゼロに持って行けて、さらにプラスにできたということを見せられたら、誰かに勇気を持ってもらえるのではないかと思っています」