岡田監督待望論も(時事通信フォト)

岡田監督待望論も(時事通信フォト)

 メンタルトレーニングが行なわれたのは、キャンプ中だけではない。

 シーズン開幕後の4月7日、矢野監督は知人の実業家を招き、選手やスタッフ全員を集めてメンタルに関する講習を行なったという。

「1勝10敗というどん底のタイミングでしたが、シーズン中に外部から講師を招いての講習は異例です。『成長するには』『集中するためには』という精神面の講習が1時間ほど開かれたらしい。

 しかし、この日のミーティングは決まっていたが事前に内容を知らなかった選手も多く、『練習時間がなくなる』との声を一部の選手が漏らしていたと聞いています。現場ではメンタルよりも練習だという空気です」(前出・阪神番記者)

岡田監督待望論

 矢野監督の“奇策”は、選手起用にも現われている。

「矢野監督が独断で抑えに起用した新外国人投手のケラー(29)は開幕後に負けが続いて守護神失格の烙印を押されました。打撃陣も32試合目でスタメンオーダーが20通り以上と打順が定まらない。

 選手はそれなりに頑張っていますが、『楽しむことが一番』『ビッグウェーブを起こせ』と精神面ばかり強調されても、戦術や起用法が地に足がつかなければ、せっかく上向いたチームの勢いを維持できない。開幕から乱高下が続くのは、矢野監督の采配が定まらないからという声がもっぱらです」(ベテラン番記者)

 選手や関係者の不満が募る中、球団内部では早くもストーブリーグの話が出始めているという。

「今季限りの退任を表明した矢野監督の“次”を見据えている選手やコーチも既にいます。関係者からは阪神OBの岡田彰布氏を次期監督に据え、同じくOBの鳥谷敬氏を入閣させるなど次の体制を進めるべきとの声が出ています」(同前)

 一連のメンタルトレーニングについて球団に尋ねたが、「球団内情報につきご回答いたしかねます」(阪神タイガース広報部)とのことだった。

 前祝いではなく、ファンに本物の喜びを届けてほしいものだ。

※週刊ポスト2022年5月20日号

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