芸能

上島竜兵さんが予言していた「有吉弘行は必ず来る」の慧眼 ファン250人にも丁寧に握手

上島竜兵

上島竜兵と竜兵会の面々

 人気お笑いトリオ「ダチョウ俱楽部」のメンバー・上島竜兵さん(61)の突然の訃報に、芸能界をはじめ、多方面から悲しみの声が上がっている。誰からも愛される人柄だった上島さんとの秘話を、上島さんの初の伝記『これが俺の芸風だ!!』の編集兼構成を担当した、ノンフィクションライターの松永多佳倫氏が明かす。

 * * *
 初対面は、“竜ちゃん”らしくない竜ちゃんだった。

「あ、よろしくお願いします」

 なんだか鳩が豆鉄砲を食らったような顔しながら深々と丁寧にお辞儀をする上島竜兵さんがいた。

 今から17年前、上島さん初の伝記『これが俺の芸風だ!!』を編集兼構成することになった僕にとって、初めての出会いは、ギャップの連続だった。「やー」、「クルリンパ」、「ムッシュムラムラ」で一世を風靡していたダチョウ倶楽部の“竜ちゃん”こと上島竜兵はいつも元気いっぱいのニコニコ顔で誰からも愛されるイメージ。だが実際会ってみると、非常に繊細であり真面目で優しい笑みを蓄えながら、いつも穏やかに話してくれた。

 書籍化が決定し初顔合わせのときも上島さんは、「これドッキリじゃないですよね。やっぱりドッキリですか!? もしドッキリだとしても本は作りますから」と言いながら、周りの空気をほんわかと温め、居心地の良い空間を自然と作ってくれた。そんな上島さんを見ているだけでとても愛おしい気分になった。

 書籍は、カラー写真64ページを掲載し、当時ブログで人気だった上島語録を収録したほか、生い立ちから高校を卒業して芸人になるまでのストーリーを含む自叙伝的な構成。シャイな上島さんは、自分の生い立ちを一生懸命に面白おかしく話してくれるが、最後に必ず「これって面白い!? 面白くないよね?」と勝手にダメ出しをして落ち込む。これも一連のギャグなのかと思っていたが、モノ作りに真剣ゆえの言動だということはすぐにわかった。

 編集兼構成の僕に対しても必要以上に気を遣ってくれた。一緒にロケ取材している最中、僕がいろいろ思案に暮れていると、「いつも難しい顔をしてるねぇ。本当は俺のこと嫌いなんでしょ!?」とスッと声をかけてくれる。すでにベテラン芸人として確固たる地位を築いているにもかかわらず、偉ぶらず、謙虚で常に腰が低い。しかし、お酒の席の場では、僕らが求める竜ちゃんの顔を出し、毒舌を吐き出して笑わせてくれた。

 竜兵会にも三度ほどお邪魔させてもらった。竜兵会とは、土田晃之、有吉弘行、劇団ひとり、デンジャラス、インスタントジョンソンなどの芸人たちが上島さんを囲んで気分よく飲ませて、最後は上島さんが泣いてお開きという親睦団体。

 上島さんは酒を飲むと、毒舌の嵐で人の悪口を言いまくって管を巻く。上島さんが言うものだから悪口も悪意があるようには聞こえない。端から見れば、上島さんの単なるストレス発散に見えるものの、思うに後輩芸人たちの鬱憤を上島さんが代弁することで後輩の溜飲を下げてあげていたのではないか。それくらい気を配ったことができる人でもあった。

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト