夫・和田唱のソロライブに訪れた際の上野樹里
また、杏花の幼なじみで居候の颯役・磯村勇斗さんの演技もいい。ちゃらっとした明るいキャラかと思いきや、「母からの電話」を境にガラリと違う風貌に。暗くマジな颯に転換するあたり、演技の工夫を見る楽しみにも満ちています。
初めてヨガ・レッスンを受けた颯に対して、「がんばり疲れたときには、私と一緒にダラーンと脱力のひとときを過ごしましょう」と語りかける杏花。その夜、颯は杏花の肩にもたれかかってダラーンとした時を過ごす。特に刺激的な男女関係でなく、セリフも少なく、ただ静かで肯定的な時間が流れる。情報過多の世の中だからこそ、このドラマを見続ける気にもなる。これぞ、視聴の「持続可能性」を生み出す一因ではないでしょうか。
肯定的な空気といえば、上野さんの感性が漲っていて個人的に好きなのが大和ハウスD-roomのCMシリーズ。怖がりな夫(中村倫也)が「早く返ってきてください」と懇願。メキシコに出張中の妻(上野樹里)は「安心したまえ」。にっこりと微笑みながら「ただいま」というセリフの温かさ。支え合う夫婦の空気が漂っていて心がほっこりします。
癒やし系だけでなく、キッパリとした物言いも魅力の上野さん。振り返れば、『監察医 朝顔』(2019年フジ系)で好評をとりました。役者としての底力を見せたのは『テセウスの船』(2020年TBS系)の記者・由紀役。たった数分間の由紀の演説が、もう目を離せない迫力で役者としての集中力はアッパレでした。
先日は、夫のトライセラトップス・和田唱さんが、泥酔してステージに上がった奥田民生さんに対してTwitterで疑問を呈して話題に。奥田さんをステージに上げた責任は和田さん側にもあるのでは、と指摘がなされると、すかさず割って入ったのが和田さんの妻・上野さんでした。「ゲストに呼んだのは唱さんじゃありません。イベント側です」とツイートし、ネット上では「上野樹里まで出てきた!」と注目を集めました。
大和ハウスD-roomのCMシリーズとは夫婦の形が違えども、支え合う2人の姿が伝わってほっこりくるエピソードでした。