芸能

佐藤浩市の役作り「どんな役でもプライベートな体験と重ねることはない」

佐藤浩市

『鎌倉殿の13人』での上総広常役が話題に

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で上総広常が非業の死を遂げた直後から、SNSでは「#上総介を偲ぶ会」が立ち上がり、いまだに「上総介ロス」という人もいるという。演じたのは、佐藤浩市(61才)。昨年末には歌手デビューを飾り、最新出演作である映画『20歳のソウル』も公開になるなど、60才を過ぎたいまも、新たな活動の場を広げ、注目を集め続けている佐藤に話を聞いた。(全4回の3回目。第1回から読む)

 最新作、映画『20歳のソウル』では、指揮棒を振っている。主人公の大義(神尾楓珠)は千葉県船橋市立船橋高校で吹奏楽部に所属し、音楽を通じて絆を紡ぐ仲間たちとともに青春を満喫中。

 そんなある日、野球部を応援する曲を作ろうと一念発起する。こうして生まれた『市船soul』は、“この曲を演奏すると試合の流れが好転する”といわれる神曲に。音楽教師になる夢を抱き、卒業後は音楽大学へと進学した大義だったが、がんに襲われ、人生の幕を下ろす。20才だった。

 実話を元にして出版された本を原作に製作された本作の中で、佐藤は吹奏楽部の顧問であり、大義が憧れる教師の高橋健一役を演じている。

「秋山純監督から声をかけてもらって原作を読み、お引き受けしました。大義くんのご親族やご友人など周囲にいらしたかたがたにとって、こんなにつらい話はないでしょう。ただ『市船soul』が後輩へと受け継がれているということに救いがあると感じたんです。映画化された作品を通して、最後の最後まで家族のこと、友達のこと、恋人のこと、そして音楽のことを思いながら精一杯に生きた大義くんの姿を観てほしいという気持ちで撮影に臨みました」(佐藤・以下同)

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