財務省事務方・事務次官の矢野康治氏(時事通信フォト)

財務省事務方トップ・事務次官の矢野康治氏(時事通信フォト)

「国会対応を担当する小野さんは積極財政派と財政再建派の板挟みになっていた。前後不覚になるほど酔って事件を起こしたとすれば、この間、よほどストレスが溜まっていたのではないか」(財務省OB)という声もある。

 ちなみに、小野氏は財務省の「出世の登竜門」の主計局主計官から主税局総務課長などを歴任して昨年7月に総括審議官に就任したが、このポストは不祥事と因縁がある。

 同省がかつて官官接待事件で大量の処分者を出した時、省内の綱紀を担当する官房長だった武藤敏郎氏も監督責任を問われて降格処分になった。だが、当時の同省首脳部が“10年に1度の大物次官候補”と見られていた武藤氏に出世の道を残すために、ほとぼりが冷めるまでの「待機ポスト」として用意したのが総務審議官の役職。組織改革で現在の総括審議官の名称になった。

 武藤氏はその後、財務事務次官や日銀副総裁を歴任、現在は東京五輪・パラリンピック組織委員会事務総長を務めている。

 以来、総括審議官は財務官僚の「次官コース」となり、これまでに増税路線で知られた勝栄二郎氏など10人近い次官を輩出してきた。「次の財務次官」と見られている茶谷栄治・主計局長、「次の次の次官」が有力な新川浩嗣・官房長も総括審議官を経験している。その先が“小野次官”の出番と見られていた。

 もともと不祥事の「ほとぼりを冷ます」ための待機ポストからエリートコースになった総括審議官(旧・総務審議官)ポストだが、今回、不祥事の当事者となった小野氏が出世を棒に振ることになれば、歴史の皮肉かもしれない。

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