芸能

小泉今日子『最後から二番目の恋』 10年経っても色褪せない名言の数々を振り返る

(Rodrigo Reyes Marin/AFLO)

45歳で鎌倉に移住した独身女性を演じた(Rodrigo Reyes Marin/AFLO)

 小泉今日子と中井貴一のダブル主演で一世を風靡したドラマ『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)。第1期放送から10年後の今、シリーズが再放送され話題になっている。同作のファンというドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏が、主人公を演じる小泉今日子の名台詞を紹介する。

 * * *
 フジテレビが猛烈にいい仕事をしている。夕方に差し掛かった14時45分〜のドラマ再放送枠で『最後から二番目の恋』(2012年)のシリーズを放送しているのだ。現在は『続・最後から二番目の恋』(2014 年)が放送中。ちなみにTVerで同時に無料配信もある。

 オンタイムで放送されていた当時から、登場人物たちのセリフや生き様に何度も救われた。そんな作品ファンの私が、今だからこそ見てほしい番組の見どころを、僭越ながら、未体験の皆様に紹介したい。私と同じく、10年前から作品を知っている皆様はぜひ録画orサブスク視聴の準備を。

自称「おじさん」「男前」が嫌味なく似合う主人公

『最後から二番目の恋』の主人公は、吉野千明(小泉今日子)、独身、45歳。テレビ局でドラマ制作のプロデューサーをしている。性格は基本熱く、優しく、強く。私の見立てでは特技は論破で、趣味は酒。でも二日酔いのせいにして仕事を怠けることはない。

 同じ境遇の友人同士で酒盛りをして「おじさんですから!」と「男っぽくなっちゃうんで」と自称する。女性のほとんどが自分を盛るためによく発する自己紹介のセリフではあるが、ほぼ痛々しい。でも千明が言うと、真実味があってかっこいい。そんな女性である。

 ドラマはそんな彼女が東京を離れて、鎌倉の古民家に移住することからスタートする。独身女性にはありがちなパターンではあるが、隣家に住む長倉家との交流によって、新しい温かさに触れつつ、揉め事に巻き込まれ、巻き込み……と物語が展開されていくのだ。そこにはキャリアウーマンとしての姿をフィーチャーするだけではなく、独り身の寂しさも吐露されていく。

 今から10年前の日本は、実は私も「結婚しなくては」と必死で婚活を迫られるような風潮があった。その当時に思い切ったテーマだとは思ったけれど、多くの視聴者の共感を呼び、まさかのたった2年後に第2シリーズ『続・最後から二番目の恋』の放送になった。海外ロケまで敢行されるほど、予算大盤振る舞いの作品に成長したのである。そんなドラマが再放送となれば、世間が騒がないわけはない。

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン