タワーマンションが林立するベイエリア(共同通信社)

タワーマンションが林立するベイエリア(共同通信社)

 そのため、地震発生時にエレベーターに乗っていると悲惨だ。真っ暗な中に閉じ込められ、宙づりになる。首都圏で何千件という「エレベーター閉じ込め」が起こるのだ。一度緊急停止すれば、管理業者の安全点検を経なければ動かせないエレベーターも少なくないが、業者が来るのは一体いつになるのか。救出までは、12時間を要するとの見方もある。夏場にはサウナ状態と化し、ストレスでパニックは必至だ》

中高層階の火災でタワマン内孤立

 タワーマンションの高層階暮らしなら、似たような事態が自宅で発生する。さらに、高層ゆえ火災が発生すれば事態はさらに深刻化する。

 タワーマンションなどの高層ビルでは、特に中高層階で揺れが増幅される。食事の準備中に地震が発生すれば、調理中の油が吹き飛び、それにより火災が起きることは容易に想像できる。停電などでスプリンクラーが正常に作動しなければ初期消火に失敗し、どんどん延焼してしまう。火や煙は当然ながら上層階へと勢いよく立ち上り、高層フロアであればあるほど消火・救出活動は困難だ。

 火災に発展しなかったからといっても、安心はできない。エレベーターはしばらく復旧せず、上層階の住民は水や食料など生活に欠かせないものを自力で運ぶことになる。またトイレが使えなくなるマンションも少なくなく、断水や停電が続く限り、トイレのたびに地上まで階段で下りなければならない。連日、何十階もの階段を上り下りすることは難しい。復旧が長引けば、タワマン内孤立が待っている。

 では、低層住宅なら安心かといえば、そうともいえない。

「東日本大震災(2011年3月)では高齢者が亡くなるケースが最多だったが、次いで木造の古いアパートに住む20代前後の若者の死も多かった。地震時のリスクを考えれば、古くて安い学生アパートは避けた方がいい」(住宅ジャーナリスト)

 賃貸住宅を借りるなら、耐震基準が改められた1981年以降の物件を選びたい。

※女性セブン2022年6月16日号

阪神・淡路大震災で倒壊した阪神高速神戸線(1995年撮影、時事通信フォト)

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台風の影響で水位が増した荒川(2019年撮影、時事通信フォト)

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