スポーツ

巨人「交流戦負け越し」で過去優勝なし 補強に頼らないチーム作りは成功するか

来年、再来年も見据えた起用法か(高卒3年目の山瀬慎之助。時事通信フォト)

来年、再来年も見据えた起用法か(高卒3年目の山瀬慎之助。時事通信フォト)

 6月12日、プロ野球の交流戦は全日程を終了し、ヤクルトが14勝4敗で4年ぶり2度目の優勝を果たした。交流戦開始前、セ・リーグでヤクルトと首位を争っていた巨人(8勝10敗)、広島(5勝13敗)は共に負け越したため、1位・ヤクルトが2位・巨人に7.0ゲーム差、3位・広島に10.5ゲーム差をつけ、独走状態に入った。

 2位巨人はここから巻き返しをはかりたいところだが、“不吉なデータ”もある。過去、「交流戦で勝ち越せなかった年は一度も優勝していない」のだ。

「データはあくまでデータでしかない。とはいえ、今年の巨人が7ゲーム差をひっくり返すだけの力があるかと言えば、疑問です。しかも、昨年の前半戦独走していた阪神と違い、今年のヤクルトには地力がある。その上、高津臣吾監督が選手を上手に休ませながら起用しており、夏場に疲れが来ないように配慮している。巨人どうこうの前に、ヤクルトが急激な失速をすることは考えにくい」(プロ野球担当記者・以下同)

 今年の巨人は開幕10試合を8勝2敗とロケットスタートを切り、4月終了時点で20勝11敗と首位に立っていた。4月までに堀田賢慎、戸田懐生、赤星優志、大勢、平内龍太、山崎伊織と6投手がプロ初勝利を挙げるなど、若手が台頭。打線も岡本和真が3、4月の月間MVPを受賞し、新外国人のポランコ、ウォーカーも結果を残すなど投打が噛み合っていた。

 しかし、4月30日の阪神戦で主将の坂本勇人が右膝じん帯を損傷してから歯車が狂い始めた。5月4日の広島戦では、リーグ首位打者を走っていた吉川尚輝が死球を受けて戦線離脱。主力の2人を欠いたことで、岡本も連なるように不振に陥った。

「坂本は開幕前にも故障しているし、12月で34歳を迎える。いつまでも坂本に頼っている場合にはいかないが、現実的には坂本がいないとチームの成績が落ちる。今までは戦力が足りないと見るや、シーズン中でもトレードや外国人獲得という補強で乗り切ってきたが、今年は若手を起用している。来年、再来年も見越した上での起用だと思います。巨人はフリーエージェント(FA)制度導入以降、FA補強がうまくいくかどうかがチームの成績に結び付いていました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン