愛車はテスラ。若さを保つ秘訣は若い時と変わらない「好奇心」を持ち続けること
その点、参議院はというと、地方区は選挙活動はあるけれども、任期が6年と決まっている。さらに全国比例になると、選挙区を持たない分、どういう政策・ビジョンを打ち出すかが評価されるポジションであると思います。
今の日本に欠けているのは、これからどういうふうな国家にしていったらいいのかというビジョン。失われた平成の30年と言われるように、あのバブル崩壊以降、停滞する日本の課題と解決策をどう見出せるかに関しては、参議院の全国比例の候補者こそ、考えるべきテーマではないでしょうか。
僕は作家として活動してきて、その流れの上で小泉内閣で道路公団民営化をやりました。東京都副知事と続く知事時代には、周産期の医療改革、地下鉄九段下駅の「バカの壁」撤去(※)、地下鉄内での通信環境整備など、さまざまな改革を実行しました。
【※隣接する都営地下鉄新宿線と東京メトロ半蔵門線を隔てていた壁のこと。両ホームは同一フロアの隣同士にあったが、間に壁があったため、乗り継ぐにはいったん改札を出る必要があり、不便だった。壁は2013年に撤去された】
政治・行政の現場から身を引いた後は作家活動に専念し、14冊の著書を出しながら、この国の将来について考え、昨年11月には仲間と民間臨調「モデルチェンジ日本」(メンバーに松田公太氏、原英史氏、冨山和彦氏、安宅和人氏ほか)を立ち上げ、岸田総理大臣に「脱炭素」を主軸にした具体的な政策提言を行ってもきました。その実現に向けて、作家として奉仕できる場所が、まだ日本に残されていた。
今回目指す参議院の全国比例という立場も、その一つと考えています。
【プロフィール】
猪瀬直樹(いのせ・なおき)/1946年長野県生まれ。作家。1987年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞。1996年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞。東京大学客員教授東京工業大学特任教授を歴任。2002年、道路公団民営化委員。2007年、東京副知事。2012年、東京都知事。2015年、大阪府・市特別顧問。主著に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」(全16巻)』があるほか、近著に『日本国・不安の研究』『公(おおやけ) 日本国・意思決定のマネジメントを問う』『カーボンニュートラル革命』など。2022年夏の参院選に、日本維新の会の公認候補として全国比例に出馬予定。