国内

参議院全国比例出馬の猪瀬直樹氏「作家として奉仕できる場所が、まだ日本に残されていた」

道路公団民営化、都政改革と政治・行政改革の経験は豊富

道路公団民営化、都政改革で積み重ねてきた政治・行政改革の経験を活かす

 今夏の参院選に、日本維新の会から全国比例で出馬する作家・猪瀬直樹氏。作家として長く活動する傍ら、道路公団民営化委員、東京都副知事・都知事などを歴任した猪瀬氏が、なぜ今、参議院で国政を目指すのか。猪瀬氏が語る。(写真/山崎力夫)

 * * *
 戦後、参議院は「良識の府」と呼ばれ、政党によらない議会運営を目指していた時代があります。例えば『路傍の石』で知られる作家の山本有三は、戦後間もない時期に、参議院に「緑風会」という無所属議員の会派を作りました。

 山本は参議院文化委員会委員長として、かつての「明治節」などの祝祭日を「文化の日」など国民の休日として作り替える祝日法の制定に深く関わった人です。さらに「新仮名遣い制定」や「国語国字問題」に尽力するなど、主に文化面で日本の戦後復興に大きく寄与しました。

 現在は衆議院のコピーのような位置付けになってしまっていますが、参議院には本来の役割があったはず。そして、そうした参議院らしさは、今の日本にやっぱり必要だろうと思うわけです。

 以前、こんなことがありました。ある夏、衆議院議員のパーティーに行ったら、2人の政治家が、地元の盆踊りに何回行ったかを話し合っていて、「僕は200回」「いや私は300回だよ」とやっていた。自慢話としてではなく、苦労話としてです。お盆の短い期間に、仮に5分ずつだとしても、盆踊りを200や300も回るのは異常です。

 だけど、1人区である小選挙区制ではそうしなければ当選しない。つまり、衆議院議員は毎日が選挙活動・政治闘争ということです。政治家が駅前で演説したり、支持者や団体への挨拶回り、地元で冠婚葬祭に動き回ったりするのはよく見聞きするでしょう。

 毎日毎日、選挙活動しているわけだから、政策を考える暇はない。国家のビジョン策定や政策立案は霞ヶ関に任せて、自分は選挙でいっぱいいっぱいになってしまう。当選しても、いつ解散があるかわからず、彼らが使う「常在戦場」の言葉通り、常に戦場で戦っている。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン