芸能

BTSが活動休止発表 メンバーが語った「K-POPやアイドルのシステムの問題点」の意味とは?

活動休止を発表し、世界中を驚かせた(AFP=時事)

活動休止を発表し、世界中を驚かせた(AFP=時事)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、BTS(防弾少年団)の活動停止発表で表出したK-POPアイドルというシステムの限界について。

 * * *
 それは突然の活動休止の発表だった。このままいけば韓国の徴兵制度により、今年の年末までにはグループでの活動を休止せざるを得なくなると思われていた。だが彼らが見せたのは、”K-POPやアイドルのシステム”に対する苦悩だった。

 14日、K-POPの超人気グループBTSがグループでの活動を休止し、しばらくソロ活動に専念すると公式YouTubeチャンネル「BANGTANTV」で発表した。10日には9年間の集大成であり、デビュー曲から最新曲まで数多くの楽曲が収録されたアンソロジーアルバム『Proof』を発売したばかりだった。メンバーらはこのアルバムを、BTSの活動の一区切りとしたようだ。

 彼らの口から語られた活動休止の理由は、これまでメディアや世論で議論されていた兵役問題だけではなかった。だからこそこのタイミングでの発表だったのだろう。本質的な問題は、多忙すぎる日々や成長する時間がないことだった。メンバーのRMが語った「K-POPやアイドルのシステムの問題点」という言葉は衝撃的だ。システムという言葉が、彼らが今、置かれている状況を明確に言い表している。

 K-POPやアイドルはシステムなのだ。一旦システムに組み込まれれば、彼らはそのシステムの中で育てられ、成長していかなければならない。システムには枠組みや道筋がある。自分たちの自由になる範囲は限られてくる。

「システムの問題点は成長するための時間を与えないことだ」とRMは語り、ジミンは「自分たちのアイデンティティーを見つけようとしている」と話した。SUGAは「今は何を伝えばよいのか分からない」という。彼らはそのシステムを良しとせず、今のまま続けるのは無理だと感じていたのだろう。疲れたから休むという曖昧なメッセージではなく、抱えている問題についてはっきり語った彼らを見ると、”意思を持ったアイドル”と呼ばれる意味がよくわかる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国分太一コンプラ違反で解散のTOKIO》山田美保子さんが31年間の活動を振り返る「語り尽くせぬ思い出と感謝がありました」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン