国内

維新、議員による差別的な問題発言相次ぐ 議員・候補者の“量”重視で“質”に問題か

維新の石井章・参議院議員による発言が…(写真/共同通信社)

維新の石井章・参議院議員による発言が波紋(写真/共同通信社)

 7月10日に投開票が決まった参院選での大躍進が予想されていた日本維新の会に、逆風が吹いている。維新の国会議員団両院議員総会長である石井章・参議院議員が、差別を助長するような問題発言をしていたことが分かったのだ。

 発言があったのは6月5日、千葉県柏市の柏駅前で行なわれた維新の街頭演説でのことだった。千葉選挙区から出馬予定の新人候補、佐野正人・現習志野市議会議員に続いて登壇した石井氏は、「私は、生まれは隣の取手市なんですけども、(中略)おじいちゃんおばあちゃんが住んでいた関係で夏休み、冬休みはよく(柏に)来てました」との掴みから、維新による教育改革の成果をアピールし始めた。

 その流れで維新元代表の橋下徹氏の名前を挙げた石井氏は、橋下氏の出身地について「差別を受ける地区」「ろくすっぽ勉強もできる環境ではない」などと発言、両親の仕事についても言及した。発言は「しかし、努力が実ってですね、現職で大学に入って、司法試験に受かって」と続いた。

 前後の文脈から考えれば橋下氏の立身出世を強調する意図の発言だったことは分かるが、維新関係者の間では「問題発言ではないか」と不安の声が広がった。石井発言は差別を助長する内容であることから詳細には触れないが、一浪している橋下氏を現役合格とするなど明確な事実誤認も含まれており、認識の甘さとともに街頭演説という公の場にふさわしくないものであると考えられた。

 しかし、この時点で石井氏に直接そのことを指摘する声はなかったという。石井氏の後は維新副代表の吉村洋文・大阪府知事も応援演説を行ない、その模様は維新の会の公式YouTubeチャンネルで動画配信された。

 その動画をもとに発言の詳細について部落解放同盟に見解を尋ねると、問題のある内容であるとの指摘があった。

「予断と偏見で出身地について話しており、差別を助長する内容となっています。仮に橋下さんが了承していたとしても、許される内容ではない差別発言と考えます」(部落解放同盟中央本部)

 橋下氏に見解を聞くと、事務所の担当者を通じて「この演説については把握しておりませんでした」とした上で、「僕を評価してくれようとする文脈なのでしょうが、内容には事実誤認も多く、また差別的な表現もあります。表現には十分気を付けていただきたいと思います」と回答があった。

 ところが、維新は本誌・週刊ポストの取材に対し、「石井章議員の発言については、石井章事務所に直接ご質問ください」と回答。石井事務所にも差別発言についての見解を問うたが、「担当者には質問を渡しているが外出中」との理由で締め切りまでに回答は得られなかった。

 木で鼻をくくったような対応だったが、その一方で、YouTubeで公開されていた動画は本誌が取材した直後に閲覧ができなくなった。現在は閲覧範囲が限定されており、維新の公式YouTubeチャンネルからは削除されている。

 6月15日に本誌がニュースサイト『NEWSポストセブン』で第一報を報じると、「批判の高まり次第では、次期参院選への出馬も見直しを検討せざるを得ない」(維新関係者)状況だという。

関連記事

トピックス

勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン