国内

「梅雨明け即猛暑」は2018年西日本豪雨と酷似 強力な台風にも要警戒

(時事通信フォト)

猛烈な暑さが続く(時事通信フォト)

「気象はバランス」とよくいわれる。今夏はいきなりの記録的猛暑で大地が急激に「加熱」された。ならば次に起こるのは急激な「冷却」、すなわち、記録的降雨だ。危機が迫っている。大地の熱を洗い流す濁流に、いますぐ備えるべきだ──。

 観測史上最短で梅雨が明け、7月に入る前からギラギラと照りつける太陽に、めまいを覚えた人も多いはずだ。

「梅雨に入ったらエアコンを買い替えようと思っていたのに、梅雨はアッという間に終了。急いで家電量販店に駆け込みましたが、コロナ禍の部品不足もあって、エアコンは納品まで1か月待ちだそうで……。夏が終わるまでに、干からびてしまいそうです」(埼玉県在住の50代主婦)

 6月下旬ですでに40℃を記録。このままだと、8月に入ったら連日40℃超えで、「史上最悪の酷暑」がやってくるに違いない──日本中の人がそう深く心配するのも無理もないほどの暑さだった。

 ところがその矢先の7月5日、台風4号が九州・長崎に上陸。列島全体で大気が不安定になり、台風からは遠く離れた北海道や青森県でも「記録的短時間大雨情報」が発表され、局地的に猛烈な雨が降った。猛暑から一転の豪雨。いったい何が起きているのか。気象予報士の森田正光さんが指摘する。

「夏の夕立をイメージすれはわかりやすいはずです。昼間が暑ければ暑いほど、夕立は激しくなりますよね。大地は温められすぎると、その熱が上空に上がっていって積乱雲を作り、大雨を降らせて、大地は冷やされます。

 どんなに猛暑の年でも、冷夏の年でも、年間トータルにすると『降水量』というのはほぼ一定であることが知られています。今年は“記録的な空梅雨”で、全然雨が降らなかった。つまり、バランスを取るように、今年の夏のどこかで“記録的な大雨”が降ることが予想されるのです」

 梅雨明けからの記録的猛暑は、これから訪れる大豪雨の前触れと言えるのだ。暑さはクーラー付きの室内でしのげたとしても、豪雨は洪水や土砂崩れなどの大災害を招きかねない。

「気象状況は2週間くらいが1つの周期です。6月下旬の猛暑から、7月上旬の台風4号の通過までが1つのサイクルと考えると、7月中旬にまた暑さが来て、7月下旬に大雨が降りやすくなる。次に、8月上旬に再び猛暑のピークが来て、お盆あたりにまた豪雨が襲ってくる。暑ければ暑いほど、その後に降る雨は激しくなるものなのです。そして9月に入れば、今年は大きな台風に警戒が必要でしょう」(森田さん)

死者263人「西日本豪雨」の再来

 気象の分野には「類似年」という考え方があるという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン