国内

山上徹也容疑者、裕福だった幼少期 実家の至るところに貼られていた大量の“お札”

(共同通信社)

刑事責任能力の有無を判断するため、鑑定留置されることが決まった(共同通信社)

 7月8日、奈良県奈良市で遊説中の安倍晋三元首相(享年67)が銃撃された。逮捕された山上徹也容疑者(41才)は、「YouTubeの動画を参考に銃を製造した」と供述。自宅からは仕組みなどが異なる5丁の銃も見つかっている。

 安倍氏が銃撃された近鉄・大和西大寺駅から車でおよそ20分の距離にある、閑静な住宅街。戸建て住宅が立ち並ぶ一角に、かつて、100坪はゆうにある広い敷地に情緒ある和風の邸宅が建っていた。幼少の山上容疑者が暮らした家だ。母方の祖父と、母、兄、妹の5人家族で、山上容疑者は中学時代までをその場所で過ごしたという。山上容疑者の兄の友人が明かす。

「子供の頃、何度も遊びに行きました。いつも広いリビングで、テレビゲームをやっていました。お母さんはお菓子やジュースを出してくれて、物静かで優しい印象でした。

 それよりも強く記憶に残っているのは、家の中の至るところにお札が貼ってあったこと。玄関にも、リビングの壁にもです。もちろん、どこの家にも初詣なんかでもらってくるお札の1枚や2枚あるのは普通ですが、ちょっと量が比べものにならないほどで……。その頃から、“神頼み”に熱心だったのでしょうか。子供心に、違和感をもったことを覚えています」

 それから30年以上を経て、山上容疑者は日本を揺るがす大事件を起こすことになる。

「母親が宗教団体に多額の献金をして破産した。家庭を崩壊させた団体を恨んでいた」

 山上容疑者は、凶行の動機をそう供述している。自宅マンションから押収されたノートには、母親が入信する宗教団体「統一教会」(現・「世界平和統一家庭連合」)への恨みが記述されていたという。また「家庭を壊した団体を日本に招いたのが岸氏(岸信介元首相)。その孫の安倍氏が国内に広めたと思い込んで狙った」とも話している。

重なった憎しみ

 地元の公立小中学校を卒業した山上容疑者は、県内でも有数の進学校へ進んだ。応援部に所属したが、人づきあいが得意な方ではなく、高校時代の担任教師が「記憶に残っていない」と言うほど、印象が薄く目立たない生徒だったようだ。

「進学校の、しかも成績上位者だったにもかかわらず、家庭の経済状況から大学進学はできず、専門学校に進んだようです」(捜査関係者)

 当時は、いわゆる「就職氷河期」だった。専門学校の後、山上容疑者は2002年からの約3年間、任期制自衛官として海上自衛隊に入隊した。

「海自の場合は、3年が任期です。容疑者は護衛艦『まつゆき』に乗り、大砲やミサイルを扱う『砲雷科』に属していたとされています。二等海士は最下級です。艦艇を掃除したり、整備を手伝う程度の単純作業が多く、ピストルとは無縁でしょう。3年任期の後、本人が希望し、認められれば、さらに2年勤務できますが、容疑者が1期で辞めているところを見ると、そうしたこともなかったのでしょう」(軍事ジャーナリストの田岡俊次氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン